36年来の宿願達成、クイーンのギタリストB・メイが博士号取得へ。

2007/07/28 06:01 Written by コジマ

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1973年にデビューし、日本では本国以上の人気を誇っていた伝説のバンド、クイーン。1991年のフレディ・マーキュリーの急逝はとてもショッキングだったけれど、彼らの曲は現在もCMやドラマで使用され、05年には英国が誇るボーカリスト、ポール・ロジャースを迎えて来日。ジョン・ディーコン以外のメンバーが、元気な姿を見せてくれたのだ。

そのうちの1人、ギタリストのブライアン・メイが、36年も中断していた宇宙物理学の博士号をついに取得するのだとか。ブライアンはロンドンのインペリアル・カレッジで宇宙物理学を専攻していたものの、バンド活動によって最終課程に取りかかっていた研究を中断(結成当時は生活のために中学校の講師をしていたことも)。世界的なギタリストになってからも、書きかけの論文が心の隅で気になっていたようなのだ。

このことから60歳を迎えた今年、英王立天文台などが管理しているカナリア諸島のラ・パルマ天文台で3日間の天体観測に参加し、36年前に中断した論文「Radial Velocities in the Zodiacal Dust Cloud」を書き終えた。どうやら、宇宙塵(じん、宇宙に浮かんでるちりのこと)の研究のようなのだ。7月25日に書き終えたこの論文をインペリアル・カレッジの担当教授に提出し、審査が通過すれば来年にも博士号が取得できるという。ちなみに、ブライアンは今月、英エクセター大学から名誉博士号を与えられているのだ。

英BBCのインタビューに、ブライアンは「音楽と天文学の異なる魅力を持っていて、ぼくはそれを楽しんでいる。一方がほかのものに対して活力を与えてくれるんだよ」とし、クイーンの活動で研究を中断したことについては、「後悔はないよ。正しい判断だったと確信している。そう聞かれると、いつもこう答えてるんだ(笑)」と、おどけている。今後の活動については、「10月にポール・ロジャースとスタジオに入るよ。ラ・パルマでコンサートを行う計画もあるんだ。天文学の研究のためにも、音楽活動を続けていく」としているのだ。

「ウィ・ウィル・ロック・ユー」などのヘビーな曲作りで知られるブライアンだけど、こんな一面があるとは知らなかった。60歳での博士号取得、仕事のために夢をあきらめた世界中の人々に勇気を与えそうなのだ。

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