J1最年少公式戦出場やJ1最年少得点、J1最年少新人王など、いくつも「最年少」と名の付く記録を更新してきた森本貴幸選手。昨年7月、東京ヴェルディ1969からセリエAのカターニャに移籍し、今年1月にはイタリアで初めてゴールを決めるなど、将来の活躍が期待される伸び盛りの19歳なりよね。3月に左膝前十字靭帯を断裂したため現在はリハビリ中なりが、カターニャとはレンタル移籍から完全移籍へと契約条件が代わり、けがの完治後も、引き続きカターニャでプレーすることが決まっているなりよ。
日本人選手を獲得したほかのクラブもそうであるように、カターニャは日本人のファン拡大や日本企業のスポンサーを狙い、今夏、初めて「カターニャ ジャパン ツアー 2007」と称する来日ツアーを計画。7月26日に来日し、7月30日に横浜FC、8月1日にジュビロ磐田、8月5日にジェフ千葉との親善試合が組まれていたなりね。でも、来日を2日前に控えた7月24日、急遽来日中止の決定が下ったなりよ。
その理由は「原発の放射能漏れへの懸念」。7月16日、新潟県を中心に発生した中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所から放射能が漏れた件が連日メディアで報じられているなりが、遠くイタリアでもこの話題は大きく伝えられており、選手をはじめチーム関係者も来日に不安を抱いていたそう。デイリースポーツによると、イタリアでも「地震直後には一般朝刊紙が柏崎原発のトラブルについて特集を組み、スポーツ新聞でも原発は安全なのか?事故の影響は? などと、質問形式で記事が掲載された」ほど、国民の関心は非常に高いようなりよ。
親善試合が組まれていた場所は、秋田市八橋運動公園陸上競技場(秋田)、ヤマハスタジアム(静岡)、フクダ電子アリーナ(千葉)と、放射能漏れや今回の地震から被害を受けた地域ではないなりが、外国人からすれば、「何か日本で恐ろしいことが起きている」という大枠だけでも不安になるのは仕方のないところなりか。特に、イタリアは原子力発電所がない国なので、日本とはまた受け止め方も違うのかもしれないなりね。
もともと森本選手はけがの回復具合が微妙なため、今回の親善試合への出場はしないと見られていたなりが、純粋にセリエAのクラブとJクラブの対戦を楽しみにしていたサッカーファンには残念な話なり。ただ、ジャパンツアーは「延期」という形を取るようなので、いずれ落ち着いたときまで楽しみは取っておくべし。