2006年に公開された映画「THE 有頂天ホテル」の興行収入が60.8億円(邦画歴代9位)と、監督第1作「ラヂオの時間」の約8倍、第2作「みんなのいえ」の約5倍を稼ぐなど、第3作目で映画監督としての殻を破り、大成功を収めた三谷幸喜監督。もともと前2作も内容は高く評価されてはいたものの、興行的には今一歩という状態だったことから、「THE 有頂天ホテル」の大ヒットは「映画監督・三谷幸喜」を確立するのに十分なインパクトを与えたなりよね。
でも、「THE 有頂天ホテル」の製作後は少し映像の世界からは距離を置いた活動を展開。2007年は1月に英国で代表作の舞台「笑の大学」を上演、4月にはゴッホ、ゴーガン、シェフネッケル、スーラの4人の天才画家を描いたユーモア溢れる悲喜劇「コンフィダント・絆」を東京と大阪で上演、6月には「伊東四朗の生誕?! 70周年」と銘打った舞台「社長放浪記」、11月には芸術座が生まれ変わる「シアタークリエ」のこけら落とし公演となる「恐れを知らぬ川上音次郎」(予定)を上演するなど、「本丸」である舞台の世界で精力的な活動を続けているなりよ。
そんな三谷幸喜監督が再び映画に挑む、新作の製作が東宝から発表されたなりよ。タイトルは「ザ・マジックアワー」。マジック、つまりは手品の映画……ではなく、サンケイスポーツによると「映画専門用語で、1日でもっとも空がキレイに映るとされる夕暮れの一瞬のこと」なのだとか。なので、映画のストーリーと手品は全く関係がないなりね。
出演者の一部も発表されているなりが、豪華絢爛と言われた「THE 有頂天ホテル」に負けず劣らずの素晴らしい面々が集うようなりよ。主演は三谷幸喜作品の「常連」になりつつある佐藤浩市。ほかに妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行の名前が発表されているなりね。妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるかの3人は、舞台やドラマも含めて三谷幸喜作品には初めての参加で、ある意味今作の目玉キャストとも言えるなりよ。
まだ詳細な作品の内容は分からないなりが、ひとつの街をまるまるセットで組むという、大がかりな仕掛けも「ザ・マジックアワー」の大きな見どころのひとつになるそう。今後発表される第2弾、第3弾のキャストも恐らくは大物が並ぶことになるだろうし、なにかと話題を呼ぶ作品になるのは間違いないなり。これからクランクインするので、公開は来年と少し先なりが、ファンはウズウズしながら公開の日を待つべし。