毎年、世界中で星の数ほど映画が製作されるなりが、その中から日本で劇場公開される作品はほんの一握り。そのため、日本未公開の作品を観るためには、ビデオやDVDの発売を待つしかないのが実情なりよね。ただ、それも日本で正規にビデオやDVDが発売されればまだマシなほうで、海外では発売されていても日本での発売予定はない……といったケースもしばしば見られるなりよ。世界中の映画をくまなく、少しでも多く観てみたいというコアな映画ファンにとっては、由々しき問題なりね。
でも、そういった作品は、どうしてもメジャー系よりはマイナー系の作品が多くなるもの。作品の出来や内容以前に、出演者や監督があまり著名ではない場合には、観客の目を惹きつける要素が弱くなるため、日本未公開になる可能性がグッと高まるものなりよ。映画を劇場公開すること、それ即ち「興行」である以上、そもそも利益が見込めない作品をバイヤーが買い付けを行わない(=日本で公開されない)のは、決して不思議なことではないなりよね。もちろん、純粋に映画を楽しみたい人にしてみれば、損得抜きで、一本でも多くの映画を日本で公開して欲しいと願うところなりが……。
さて、そんな事情で日本未公開の作品はたくさん存在しているわけなりが、通常なら日本未公開作品の「基準」には当てはまらなさそうな、あるメジャー系作品が急遽公開中止となったなりよ。その作品の名は「エバン・オールマイティ」。2003年にジム・キャリーが主演し、約5億ドルのヒットを記録した「ブルース・オールマイティ」のスピンオフ作品として製作された作品で、全米の週末興行収入成績では初登場1位を記録するなど、それなりに格好が付いているにも関わらず、日本では未公開作品になることが正式に決定したなりね。
なぜ、「エバン・オールマイティ」の日本公開は急遽中止となってしまったのか。そのあたりについて、eiga.comは米国の業界紙バラエティ筋の情報として、次にように推測しているなり。
・米国では1週目に初登場1位を記録してから急速に伸びが鈍化、興行が大苦戦していた。
・主演が前作のジム・キャリーから知名度が落ちるスティーブ・カレルに交代している。
・日本市場ではハリウッドのコメディ映画がなかなかヒットしない。
・前作は世界的なヒット作にも関わらず、日本では興収11億円と奮わなかった。
なるほど、こうして並べてみると確かに日本で公開に踏み切るのはリスクが高そうなりよ。米国での失敗を受け、これ以上傷口を広げまいとする配給元の意向は理解できるところなり。
メジャー系の作品が日本未公開となるケースはそうあるわけではないので、公開を待ち望んでいたのに肩透かしを喰ってしまった人もいるかもしれないなりね。残念無念なり。