ウィンブルドンでフェデラー選手が5連覇達成、約4時間の激戦制す。

2007/07/09 14:05 Written by コジマ

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テニスの4大大会で最も古い歴史を誇るウィンブルドン選手権。今年もロンドン郊外のオールイングランド・クラブで開催されたのだけど、男子ダブルス2回戦のマルセロ・メロ(ブラジル)/アンドレ・サ(同)組とポール・ハンリー(オーストラリア)/ケビン・ウリエット(ジンバブエ)組の対戦で計102ゲームが行われ、ダブルスの大会最多記録となり、タイブレイク導入後では単複通じての新記録が更新されるという珍事が起きたのだ。試合時間も5時間58分という、大会史上2番目に長い記録だった。

この過酷な戦いを制したメロ/サ組はその後も勝ち続けていたのだけど、優勝したアルノー・クレマン(フランス)/ミカエル・ロドラ(同)組に準決勝で敗れてしまったのだ。

日本時間の6月9日に行われた男子シングルス決勝でも、その男子ダブルス2回戦に匹敵するほどの激戦が繰り広げられた。決勝の組み合わせは、第1シードのロジャー・フェデラー選手(スイス)と、第2シードのラファエル・ナダル選手(スペイン)。昨年と同じ顔合わせだったのだ。

フェデラー選手は19歳の01年、ウィンブルドンで王者だったピート・サンプラスを3時間41分のフルセットで破り、03年に同大会で初優勝。04年には98年のマッツ・ビランデル以来となる4大大会年間3冠を獲得し、この年から世界ランキング1位に君臨し続けているのだ。

一方、ナダル選手は12歳まで将来有望なサッカー選手だったという異色の経歴を持つ。彼の伯父さんも元スペイン代表のDFなのだ。15歳でテニスに転身し、19歳だった05年の全仏オープンでは準決勝でフェデラー選手を破って4大大会初優勝。特にクレーコートで抜群の強さをみせ、今年のハンブルクマスターズ(4大大会に次ぐATPマスターズシリーズの1大会)でフェデラー選手に敗れるまで81連勝を記録していたのだ。

現在のテニス界を牽引する2人が再び相まみえることとなった今年のウィンブルドン決勝では、昨年はフェデラー選手から1セットしか奪えなかったナダル選手が成長した証を見せつけた。フェデラー選手の力強いショットが冴える一方、ラリーではナダル選手が脅威の力をみせた。しかも、ナダル選手は足をケガしていたのだ。

互いに一歩も譲らない攻防が繰り広げられ、試合はフルセットに。ナダル選手は何度もブレイクポイントを迎えながらもブレイクできず、終盤はフェデラー選手の神がかったようなプレーがナダル選手を圧倒し、結局7-6、4-6、7-6、2-6、6-2で、フェデラー選手がサンプラス選手もなし得なかったウィンブルドン5連覇を達成したのだ。

終わってみれば、3時間46分という大激闘。今回のウィンブルドンは中継を見る機会が多かったのだけど、この2人だけ次元が違うような闘いを演じていたのだ。観戦に来ていたビョルン・ボルグ以来、史上4人目となる5連覇を達成したフェデラー選手は、「ナダルのプレーは驚くべきものだった。彼は勝者に値した。自分は幸運だった。優勝トロフィーを掲げたのは一生残る、特別な思い出になった」(時事通信より)とコメント。今回が4大大会11勝目で、サンプラスが保持する最多勝利(14勝)まであと3勝に迫った。

一方、2年連続で敗れたとはいえ、フェデラー選手との差が詰まってきているナダル選手。足のケガについて全く言及しなかったのも好印象だった。ライバル関係がさらに過熱したこの2人、8月の全米オープンや来季はさらに激しい試合が予想されるのだ。

ちなみに、女子シングルスでは、4回戦でマリア・シャラポワ選手、準決勝で19歳のアナ・イバノビッチ選手、そして決勝でマリオン・バルトリ選手を降してウィリアムズ姉妹の姉・ビーナス選手が復活となる4度目の優勝を飾った。また女子ダブルスでは、杉山愛/カタリナ・スレボトニク(スロベニア)組が決勝でカーラ・ブラック(ジンバブエ)/リゼール・フーバー(南アフリカ)組に敗れ、準優勝にとどまったのだ。

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