河瀬直美監督の「殯の森」がグランプリを獲得し、松本人志の初監督作品「大日本人」が上映されるなど、何かと話題が多かった今年のカンヌ国際映画祭。60周年記念映画に参加した北野武監督が、記者会見で紋付袴にちょんまげのカツラをかぶったことも印象的だったのだ。

そのカンヌ国際映画祭の一部門としてスタートし、のちに独立して「世界3大広告賞」の1つに数えられるようになったカンヌ国際広告祭（CANNES LIONS）が今年も開催されたのだけど、そのメディア部門で「日清のどん兵衛」のCMが銅賞に選ばれたのだ。このCMは、CS放送の番組「J SPORTSサッカー」のフランスリーグ中継（6月7日）の前半終了時に放送されたもので、CS放送局のみで放送されたオリジナルCMとしては初の受賞なのだとか。

このCM「日清のどん兵衛 J SPORTS編」は、深夜のちょっと小腹が減りそうな時間に食欲をそそるような広告をゲリラ的に展開する「ゲリラシズルCM」で、中継で解説を務めた元日本代表の遠藤雅大氏と実況を担当した野村明弘氏がそのまま出演。CMに入って「どん兵衛」をおいしそうに食べる2人の姿が放送電波にのってしまった、という設定なのだ。

フランスリーグの中継で放送されたということが、フランスの広告コンクールでの受賞に無関係ではないかもしれないけれど、実際に見るとなかなか面白いアイデアであることが分かる。ちなみに、遠藤雅大氏の代わりに中山淳氏が出演しているバージョンもあり、そちらでは「いやあ、松井（大輔選手）もがんばっているし」という“雑談”が収録されているのだ。