「うちの子に掃除させるな」、親の理不尽なクレームに学校が困惑。

2007/06/18 23:58 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


学校に対する親の理不尽な要求が取りざたされるようになって久しい。要求の内容は常識を疑うようなものもあり、もはやクレーマーの域に入っている。ぼくの友人も、「子供はかわいいけれど、親への対応がしんどい」と数人が教師自体を辞めていっているのだ。

こうした中、主要都市の67教育委員会のうち18教委が対策研修を受けたり、親への精神サポートを想定した臨床心理士との協力をしたりなど、クレームを想定した対策を実施。また、福岡市では2005年から親と学校のトラブルを仲裁する第3者機関を設置し、東京都港区では今月から小中学校や幼稚園が地区の弁護士に相談できる制度を導入したのだ。

こうした「親の理不尽な要求」について読売新聞が独自に調査を行い、驚くべき実態が紹介されている。同紙に掲載されている具体例は、

・「うちの子は自宅で掃除させていないので、学校でもさせないでほしい」と要求
・大学進学に必要のない科目の授業は受けなくて済むように求める
・子供同士のささいなトラブルなのに、「相手の子供を転校させてほしい」と要求
・子供が自転車でお年寄りに接触する事故を起こした際、「学校の自転車指導に問題」と主張
・教師を中傷する電子メールを、学校関係者に送りつける

などなど。どれも絶句してしまうような内容……。こうしたクレームによって、仕事に支障を来たしているだけでなく、精神的なストレスを抱えている教師も多いようなのだ。

一方、J-CASTニュースでも東京都内の学校長を対象に聞き取り調査を行っており、ここでもびっくりするようなクレーム実態が明らかになっている。具体例としては、

・子供同士がケンカしてケガの治療費を学校に請求
・離婚した元夫婦が学校を訪れて「子供の親権を校長に判断しろ」と要求
・使用禁止の約束を守らなかったので教師が子供の携帯電話を取り上げると、取り上げた日数分の基本料金を学校に請求
・「子供を起こして学校へ連れて行ってほしい」と要求
・卒業アルバムに自分の子供があまり写ってないので、作り直すよう要求

などなど。こうした場合に学校が話し合うと、親がすぐに「訴えてやる」と迫ることが多くなっているとしている。

親を教育する「親学」の提案は、家庭教育に踏み込むという世論の反発を受けて見送られているのだけど、こうして理不尽な要求が多い現状をまざまざと見せつけられると導入したほうがよいような気がしてくる。これらの調査は学校のみに行っているため一方的な意見という側面もあるのだけれど、おかしな先生も少なくないいま、理不尽な要求をしない家庭や仕事熱心な先生は気の毒なのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.