「感染知りながら旅行」に全米激怒、身内の勤務先からXDR結核菌漏洩か。

2007/06/15 20:06 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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今、米国で一番世間から非難を浴びている男性、アンドリュー・スピーカー氏。彼は自分が抗生物質に耐性を持つタイプの広範囲薬剤耐性(XDR)結核菌に感染していると知りながら、ヨーロッパ旅行に出発。その後イタリアに滞在中、他の人に感染する恐れがあるからと米政府の疾病対策センター(CDCから再入国禁止を通達されてしまったのです。そりゃそうだ、ただでさえ空気感染する可能性のある病気なのに、飛行機の中という狭い空間を何時間も多くの人々と共有するのですから、リスクは大きいです……。

当局はすぐに現地で医療機関に連絡を取り、隔離病棟で治療を受けることを要請しました。ところがスピーカー氏、この警告を全く無視。チェコ共和国、そしてカナダ経由でアメリカに帰ってくることを計画。本当に国境での入国審査でも平静を装って、まんまと係員を騙して帰国してしまったのです。これを知った当局は、ただちに彼を拘束して隔離。現在はコロラド州の病院で治療を受けています。

しかし彼のわがままな行動に、全米は大激怒。自分の結核感染を知りながら、他の人々を病気の危険に晒したのですから当たり前です。しかもスピーカー氏、弁護士という職業柄、現行の強制隔離法は憲法違反の可能性があると知っていました。自分が法で罰せられることは事実上ありえないと判っていたのですから、単に異国の地で命を落とす恐怖心だけで今回の愚行に出たワケではないということですね……。自分にとばっちりがなきゃ、それでいいのかー(汗)。

ところで、気になるのが彼がいつ、どこでこの病気に感染したかということ。実は今ちょっと恐ろしい憶測がささやかれているのです。スピーカー氏はつい最近結婚したばかり(欧州旅行自体が結婚式と新婚旅行のためだった)。そして彼の義理の父となった人物というのが、なんとCDCで働く研究員であり、その専門分野がこれまたXDR結核なんだとか。この義理のお父さんのの研究室から結核菌が漏れてしまい、彼に感染してしまったのでは? 人々が指摘しているのですが、もしそれが本当ならずさんな管理体制が証明されてしまったも同然。

さらにもっと恐ろしいウワサというのが。娘を取られた腹いせに、故意に義父がスピーカーさん結核菌にさらしたとしたら……? この可能性を踏まえ、、当局はこの研究員を捜査することにしたそうですが、いやはやこの噂話が本当だったらかなり恐ろしいぞー(汗)。

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