早大・斎藤佑樹投手が熱投、東京六大学野球で胴上げ投手に。

2007/06/03 22:02 Written by コジマ

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昨夏の甲子園を沸かせた「ハンカチ王子」こと早実の斎藤佑樹投手。早大進学後もその人気は衰えることなく、東京六大学野球も観客動員数が増大し今年からテレビ中継されるなど、大きな恩恵を受けているのだ。

甲子園のライバルだった楽天の田中将大投手がプロで活躍する中、斎藤投手も4月14日の東京六大学野球春季リーグ開幕戦で1年生にして先発投手に抜擢され、見事勝利。これは、のちに阪急の初代主将となった殿堂入りの名投手、宮武三郎投手(慶大)以来80年ぶりとなる大記録なのだ。また、無敗のまま3つの勝利をあげ防御率も0.42という素晴らしい成績を残しており、7月に米国で行われる日米大学野球選手権の代表候補にも推薦されている。

斎藤投手の加入によって盛り上がる東京六大学野球春季リーグは、第7週までで早大が8勝0敗、明大が8勝2敗、慶大が6勝2敗となっており、第8週の早慶戦の結果によっては56年ぶりとなる3校のプレーオフ(51年は早大、慶大、立大)が予定されていた。

早大が勝てば優勝が決定するという6月2日の最終週第1日、“佑ちゃん効果”で神宮球場には当日券を求めて朝から約6000人が列を成し、3万4000人の観客が集まったのだけど、先発した早大のエース、須田幸太投手(3年、土浦湖北)が3回に集中打を浴びて5失点でKO。慶大が土俵際で競り勝ったのだ。

これにより、須田投手を抜いて防御率がリーグトップとなった斎藤投手が先発する早慶第2戦に注目が寄せられた。決勝再試合を含む69イニングを投げ抜き甲子園を制したその右腕に、早大連覇の夢が託されたのだ。

前日を上回る8000人が当日券を求めて並び、予定より30分早い午前8時半に開門した3日の第2戦、立ち見も出る3万6000人超が見守る中、初回でいきなり早大が2点を先制。斎藤投手はリードを与えられた状態で、中学時代から憧れだったという早慶戦のマウンドに上がった。

大観衆からの「斎藤コール」に迎えられた斎藤投手は、140キロ台のストレートとキレのあるフォークで慶大打線を翻弄して5回まで1安打無失点の好投。疲れが見え始めた6回には内野安打や四球で4点を失い降板したものの、今季2本の満塁本塁打を放ってリーグ記録を打ち立てた身長190センチの慶大四番、佐藤翔外野手(4年、秋田)を2三振1凡打に封じ込めたほか、8つの三振を奪うなど、並のルーキーではないことを大舞台でも示したのだ。

試合は、早大が3回にルーキー、原寛信(1年、桐蔭学園)の3点本塁打、4回に斎藤投手の女房役、細山田武史捕手(3年、鹿児島城西)の2点本塁打などで追加点を挙げ、最後は斎藤投手、松下建太投手(2年、明徳義塾)から引き継いだ須田投手が1点を失ったものの、9−5で2季連続39度目の優勝を決めたのだ。これに伴って順位も決まり、2位が明大、3位が慶大、4位以下は法大、立大、東大となっている。

リーグトップタイとなる4勝目をあげ、90年の大越基投手以来の1年生春胴上げ投手となった斎藤投手。甲子園に続いて六大学も制したわけだけど、次は6月12日に開幕する全日本大学野球選手権で、神宮完全制覇を狙うのだ。

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