登山家の野口健がチベット側からエベレスト制覇、清掃も実施。

2007/05/15 23:33 Written by コジマ

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登山家や冒険家でなくても、誰もが憧れる山と言えば、世界最高峰のエベレスト(チベット名チョモランマ、ネパール名サガルマーター)。富士山(3776メートル)の倍以上となる8850メートルという世界は、映像で見ることができても実際に登った人にしか理解し難いだろう。

そんなエベレストに、登山家の野口健が1999年の初登頂以来、再度挑み、4月10日のベースキャンプ(5200メートル)入りから1カ月以上かけて登頂に成功したのだ。今回は前回のネパール側からではなくチベット側からの制覇。チベット側からの登頂は97年に挑戦しているのだけど、天候の悪化から断念したため、初めて制覇となっている。

今回注目されているのは、単なるエベレスト制覇、両側からの登頂成功というだけでなく、ベースキャンプ周辺で清掃作業を行ったことにある。野口健は97年の初登山の際に、パーティーを組んでいた欧米の登山家たちがゴミ拾いを始めたこと、そして以前に日本隊が残していった大量のゴミに衝撃を受けて以来、講演やメディアを通じて訴えるだけでなく、自らエベレストや富士山などで積極的に清掃活動を行っているのだ。

エベレスト初挑戦の際の衝撃は公式サイトのエッセイに詳しく記されているのだけど、「日本は経済は一流だけど、文化、マナーは三流だ」や「お前ら日本人は、ヒマラヤをマウントフジにするつもりか」など、欧米の登山家から投げかけられた言葉に、怒りを抱くとともに深い感銘を受け、清掃活動に取り組むようになったとしているのだ。

今回のエベレスト清掃登山は、富士山との同時清掃イベントでもあり、富士山では交際がウワサされている女優の若村麻由美を隊長に、約160人のボランティアが参加して青木ヶ原樹海を清掃。約3トンのゴミを回収し、清掃終了後は野口健とテレビ電話で環境への思いを語り合ったそうなのだ。

日本人として8人目となるネパール、チベット両側からのエベレスト制覇という偉業を、世界一過酷な環境での掃除も兼ねて実現した野口健。公式サイトで公開されているエベレストからの音声では「右の肺が背中まで貫通するような痛みが昨日夜ひどかったので」と咳き込みながら語っているので体調面も心配だけど、とにもかくにも心から賛辞を贈りたいのだ。

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