ブリティッシュ・インベイション時代やプログレ、グラム、パンク、マッドチェスター、ブリット・ポップなど、かつての盛り上がりを凌駕するほど活気を帯びているUKロック・シーン。この波は英国から欧州、米国、カナダ、日本にも波及しており、才能豊かな新人バンドが次々と飛び出している。各国でエレキギターの売り上げが伸びていることも、シーンの盛り上がりを象徴しているのだ。

そんな中、英国で最も有名な音楽誌NMEとFM局のXfmが共同で「歴代の最も偉大なインディー・アンセム（The Greatest Indhie Anthems Ever）」の投票を募り、そのトップ50が5月2日発売のNME誌上とXfmの番組で発表されたのだ。「インディー・アンセム」とは、英国で愛されているロック曲のこと。今回はNME誌の読者やXfmのリスナーのほか、バンドや音楽業界のトップたちの意見を反映しているのだけど、グランジから現在までの幅広い曲が選ばれている。

その中でトップに輝いたのは「リヴ・フォーエヴァー」。多くのミュージシャンに影響を与え続け、現在も第一線で活躍するオアシスの名曲だけに、ファンでなくとも納得の結果なのではないだろうか。オアシスはこのほか、ライブ会場をサッカー・スタジアムのように変えてしまう「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」（14位）やデビュー曲の「スーパーソニック」（25位）、「ワンダーウォール」（27位）、「シガレット＆アルコール」（31位）、「シャンペン・スーパーノヴァ」（39位）と、6曲が選ばれている。「ロックンロール・スター」や「モーニング・グローリー」などなど、ほかにもランクインしてもおかしくない曲がたっぷりあるのだ。

2位はニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」、3位はパルプの「コモン・ピープル」が選ばれているのだけど、この2組は1曲ずつだけ。ザ・スミスは4位に「ゼア・イズ・ア・ライト」、7位に「ハウ・スーン・イズ・ナウ？」、先日ピート・ドハーティとカール・バラーが一夜限りの“再結成”を果たしたザ・リバティーンズも5位に「ドント・ルック・バック・イントゥ・ザ・サン」、6位「タイム・フォー・ヒーローズ」（6位）と、ベスト10に2曲ずつランクインし、スミスは「ジス・チャーミング・マン」（11位）、「パニック」（21位）、リバティーンズは「キャント・スタンド・ミー・ナウ」（13位）、「アップ・ザ・ブラケット」（47位）と、トップ50でも4曲ずつ選ばれている。リバティーンズだと、「ヴァーティゴ」や「ボーイズ・イン・ザ・バンド」なんかもいいなあ。ピートの新バンド、ベイビー・シャンブルズの「ファック・フォーエヴァー」も24位に選ばれているのだ。

オアシスに影響を与えたストーン・ローゼズは、8位の「アイ・アム・ザ・レザレクション」をはじめ、12位に「シー・バングス・ザ・ドラムス」、17位に「アイ・ウォナ・ビー・アドアード」、32位に「フールズ・ゴールド」、44位に「ラヴ・スプレッズ」と、オアシスに次ぐ5曲がトップ50にランクインした。「シー・バングス・ザ・ドラムス」が「アイ・ウォナ・ビー・アドアード」や「フールズ・ゴールド」より上位なのはちょっと意外なのだ。

このほか、ザ・ストロークスの「ラスト・ナイト」が9位、アークティック・モンキーズの「アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロア」が10位で、フランツ・フェルディナンド（「テイク・ミー・アウト」が16位）やザ・ゴシップ（「スタンディング・イン・ザ・ウェイ・オブ・コントロール」が23位）、ザ・キラーズ（「ミスター・ブライトサイド」が33位）、カイザー・チーフス（「ライオット」が36位）、カサビアン（「LSF」が37位）、クラクソンズ（「ゴールデン・スキャンズ」が40位）と、ロック・シーンを担う新たな面々も選ばれている。グレアム・コクソンの復帰がウワサされているブラーは、「ソング2」が15位、「パークライフ」が41位にランクインしていた。

また、NMEの公式サイトでは現在も投票を受け付けており、誌面とは別のランキングを発表している。現時点でのトップはストロークスの「ラスト・ナイト」。ザ・ヴァーヴの「ビター・スウィート・シンフォニー」やジョイ・ディヴィジョンの「ラヴ・ウィル・ティア・アス・アパート」が誌面よりもジャンプアップしているのだ。こちらに投票してみても面白いかも。


☆NME＆Xfm「歴代最も偉大なインディー・アンセム」トップ10

1. オアシス 「リヴ・フォーエヴァー」
2. ニルヴァーナ 「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」
3. パルプ 「コモン・ピープル」
4. ザ・スミス 「ゼア・イズ・ア・ライト」
5. ザ・リバティーンズ 「ドント・ルック・バック・イントゥ・ザ・サン」
6. ザ・リバティーンズ 「タイム・フォー・ヒーローズ」
7. ザ・スミス 「ハウ・スーン・イズ・ナウ？」
8. ストーン・ローゼズ 「アイ・アム・ザ・レザレクション」
9. ザ・ストロークス 「ラスト・ナイト」
10. アークティック・モンキーズ 「アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロア」

※フルリストは、Xfm公式サイトまたはNME誌を参照。