太陽系近くに地球そっくりの惑星発見、生命が存在する可能性も。

2007/04/25 21:45 Written by コジマ

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幼い頃、誰もが夢に見た「地球外生物」との交流。ぼくも小学生のときに大流行した五島勉の本や矢追純一の番組を見ては、21世紀には宇宙人と交流しているのではないかと夢想していたのだ。半面、攻めてくるのではないかという不安にもかられたのだけど。

しかし、21世紀になっても一向に宇宙人との交信は報じられないし(誤報は多数)、地球に似た環境の星も発見できていない(発見されても表面温度がめちゃくちゃ熱い)。多少ガッカリしていたのだけど、太陽系の近くに地球そっくりの環境を持った惑星が発見されたのだ。

発見したのは、南米チリにある欧州南天天文台(ESO)の研究チーム(swissinfoは、「ジュネーブ大学天文観測所のマイヨール教授のグループ」としている)。発見された惑星は地球から20.5光年離れた場所にあり、地球と比べて直径が1.5倍、重さが5倍と、これまで発見された約220個の惑星の中で最も小さい。赤色矮星(太陽より小さく温度も低い恒星)「グリーゼ581」の周りを13日の周期で公転しているのだとか。つまり、1年が13日なのだ。

太陽の3分の1の大きさだという「グリーゼ581」との距離は地球−太陽間の14分の1で、表面の温度は摂氏0〜40度(平均で20度)。水が液体の状態で維持できる温度で、生命が存在する可能性も十分にあるのだ。ただ、大気の成分は不明だそう。

もし生命が存在しないとしても人口爆発に悩む人類の移住地として期待できそうだけど、地球からこの惑星までの距離20.5光年をメートルに換算すると約192兆キロメートル。地球1周(約4万キロメートル)の48億倍、月までの距離(約38万キロメートル)でも約5億倍となるため、現時点での移住は不可能のようなのだ。

以前読んだ本によると、宇宙の中に生命体同士が同時に存在する可能性はあるとしても、2つの生命体の文明が交流できるほどまでに同時期に発達する確率は限りなくゼロに近く、たとえるなら、机の上の鉛筆が突然一方向に飛んでいってしまうくらいのものなのだとか。

とはいえ完全にゼロというわけではないので、多少の希望を抱きつつ、てんびん座の方角に見えるというこの惑星を望遠鏡でのぞいてみるのもロマンチックかも。そう考えると、地球がいかに「奇跡の星」であるかをあらためて認識させられるのだ。

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