5位の日本ハムに25ゲーム差という屈辱的な大差を付けられ、38勝97敗1分の借金59で終わった球団創設年(2005年)。翌年はチーム状態が少し上向いたものの、47勝85敗4分の成績に終わり、「定位置」とされる最下位から抜け出せない状態が続いてきた楽天イーグルス。もともと各球団の1軍半〜2軍級の選手をかき集めて出来た球団ゆえ、創設当初から苦戦が予想されていたなりが、あまりの最下位独走ぶりに地元・仙台市民を中心としたファンの落胆は大きかったなりよね。
でも、今年の楽天は過去2年とはひと味違いそう。オープン戦は16試合で5勝9敗2分けの11位、3月24日のパ・リーグ開幕以降、3月の成績は4連敗を含む1勝5敗と、「今年もダメか」というムードが早くも漂い始めてなりが、4月6日時点での4月の成績は3連勝を含む3勝1敗と勝ち星が先行。7日のロッテ戦にも快勝したことで、なんと日本ハム、ロッテ、オリックスの上を行く単独3位となったなりよ。開幕から10試合以上を経過した時点で楽天が「Aクラス」に入ったのは、球団創設3年目で初の快挙。たかが10試合、されど10試合……とあえて言いたいなりね(笑)。
もちろん、10試合の結果だけを見て「今年の楽天は、最終順位でもAクラスを目指せる」と結論付けるのは早計過ぎるなりが、徐々に戦力が整い、試合内容が以前ほど悪くなくなってきているのは確か。まだ「選手の平均年齢が高い」「投打に人材が足りていない」といった問題点は未解決ながら、明るい材料もずいぶん増えてきたなりよ。
例えば、昨年規定打席に到達した4人の3割打者(リック・ショート内野手[.314]、鉄平外野手[.303]、ホセ・フェルナンデス内野手[.302]、高須洋介内野手[.300])が引き続きレギュラーとして起用されているほか(リック選手は夫人の出産立ち会いで一時帰国していたため出遅れ気味)、昨夏の甲子園を湧かせた「マー君」こと田中将大投手、昨年の台湾プロ野球で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠を獲得した林恩宇投手が新戦力として加入。さらには2年目の今年から先発に転向した青山浩二投手がブレイクするなど、非常に楽しみな要素がいくつもあるなりね。
野村監督が采配を振るうようになってから2年目の2007年シーズン。「野村の考え」もチームに浸透し、ようやく戦う集団のカタチが見えてきた楽天が、最終的に「定位置」を脱出することができるのか。そして、念願のプレーオフ進出は果たせるのか。今年のプロ野球は始まったばかりなりが、そのあたりにもぜひ注目してくださいませ。