円錐の上部をカットしたような独特な形状を持つ、森永乳業のアイスクリーム「エスキモー ピノ」。発売を始めた1976年から毎年売上を伸ばし続けているという、まさに「ロングセラー」と呼ぶに相応しい商品なりね。その売れっ子ぶりは、日経POSデータがまとめた今年2月のレギュラーアイスの売れ筋ベスト10で、「ピノ(いちご/期間限定))」が1位、「ピノ(レギュラー)」が2位にランクインしたほど。発売30周年を迎えた今もなお、勢いに陰りは見えないなりよ。
しかし、サラッと30年とまとめてしまいがちではあるなりが、季節ごとに大量の新商品が投入される競争激しいアイス市場の中で、「30歳」はかなりの長寿。単に生き長らえてきたのではなく、どのようにして「ピノ」は売上トップクラスの地位をキープし、さらに新しいファンを拡大させてきたのか。そのあたりの「秘密」を、日経流通新聞がまとめているなりよ。「ピノ」ファンも多いと思うので、簡単に要点をまとめておくなりね。
◎「ピノ」が売れ続けている秘密(日経流通新聞から一部要約)
1.ピノファン有志によるブログやSNSのコミュニティが多く、自然と口コミが広がる土壌が育っている。
2.若者の間で話題になりそうな仕掛けを用意(「願いのピノ」「ピック占い」など)。
3.2006年から年4回のペースで新商品を投入。
1番は、試しに「mixi」で「ピノ」もしくは「Pino」のワードでコミュニティ検索をかけてみると、「pinoを食べよう。」(1312人)、「ピノ大好き」(947人)、「Pinoピノ大好き」(325人)、「★星型ピノ発見★」(278人)、「黄pinoが好きだぁぁぁぁぁ!!!」(48人)……(※コミュニティ参加人数は3月22日現在)。確かに「ピノ」に関するコミュニティがズラリとヒットするなりよ。方向性の似たコミュニティがやや乱立気味ではあるなりが、日夜、ピノへの愛情をファンが語り合っているなりね。また、ピノへの愛をカタチにした「
pinog」をはじめ、さまざまな「ピノ」への思いを吐露したブログを見つけることができるなり。
2番は、発売当初にはなかった「遊び」。例えば「願いのピノ」は、1箱6粒の中に1粒だけ、稀に星形の粒が入っていて、「出会えると願いが叶う」という仕掛けなりが、女子高生を中心に話題を呼び、人気となったなりね。「ピック占い」は、「ピノ」を食べるために同梱されるピックに1〜72までの番号が振られていて、その番号を公式ページで入力すると占いができるという仕掛け。いずれも若者に受け入れられやすく、売上増に大きく寄与しているなりね。
3番は、2月の売れ筋ランキングにも顕著に現れているとおり、最も分かりやすい、販売を押し上げるための原動力。期間限定商品をシーズンごとに投入することで、古くても新しい「ピノ」像を作り上げることに成功しているなり。
ベーシックの部分は不変でも、時代の空気に対応しながら徐々に進化していく「ピノ」。ロングセラーになるにはそれだけの理由があることを、改めて教えてくれる商品なり。