携帯音楽プレーヤーと言えばアップルの「iPod」。世間の印象がそうなってしまってから久しく状況が変わっていないなりが、一般層への圧倒的な訴求力を武器に、「iPod」は今なお勢いを増して走り続けているなりよね。この1〜2年の間に、コ○助の周囲でも「iPod」ファミリーの製品を購入した人がたくさんいる反面、ほかのメーカーの製品を購入した人は皆無。身近なところを見るだけでも、ほかのメーカーがいかに厳しい状況に置かれているのかがうかがえるなりよ。

でも、同じ土俵で闘っているライバルメーカーは、決してこのままで良いと考えているわけがなく。「iPod」とシェアを逆転……とまで言ってしまうと、今となっては壮大過ぎる野望かもしれないなりが、まだ携帯音楽プレーヤーを手にしていない人が多いのは確かなので、一定のシェアを奪う可能性は十分にあるなりよね。市場が「iPod」に独占され、競争が起きない状況は決して健全とは言えないだけに、ライバルメーカーの奮起に期待したいところなりよ。

さて、「iPod」擁するアップルのライバルメーカーを考えたときに。コンスタントに「ウォークマン」ブランドの製品を投入するソニーを真っ先に思い浮かべる人は多いと思うなりが、ほかにもサムスンや東芝など、意欲的な製品を発表し続けているメーカーはいくつかあるなりね。そうしたメーカーのひとつであるアイリバーが、デザイン性に優れた、なかなか魅力のある製品を発表したなりよ。

発表したのは、有機ELディスプレイを搭載した携帯音楽プレーヤー「Clix2」。まずは簡単にスペックや特徴をまとめておくなり。

◎「Clix2」（アイリバー）
・2GBモデル（22,800円）と4GBモデル（27,800円）。
・2.2インチのアクティブマトリックス式有機ELディスプレイを搭載。
・MP3／WMA／OGGの音楽再生に対応。
・MPEG4／WMV9の動画再生に対応。
・スライドショーが付いたフォトアルバム機能を搭載。
・海外でも利用可能な録音機能付きFMチューナーを搭載。
・高感度マイク内蔵のボイスレコーディング機能を搭載。
・テキストビューワー機能を搭載。
・Macromedia Flash Lite 2.1に対応。
・背景やテーマの変更が可能。
・アラームクロック付き。
・最薄部は8.2ミリのスリム設計。
・重量は55グラム。
・連続再生時間はMP3再生時で約24時間、MPEG-4再生時で約5時間。
・4月下旬から発売予定。

アクティブマトリックス式の有機ELディスプレイは、液晶に比べて高い色調の再現性、広視野角、高コントラスト、反応速度が速いといった特性を備えているスグレモノ。音楽のアルバムアート表示や、30fpsの滑らかな動画再生時に威力を発揮するなりね。

本体表面にはボタン類がなく、フラットな作り。ディスプレイの上下左右を押し込んで操作する「ダイレクトクリック」を採用することで、スッキリとした優雅なデザインに仕上げているなりね。このデザインはなかなか素敵なり。

競合する「iPod nano」の2GBモデルは17,800円、4GBモデルは23,800円なので、価格だけ見ると「Clix2」は少し割高に感じるなりが、大きな液晶（iPod nanoは1.5インチ）、320×240の高解像度（同176×132）、動画対応（同非対応）、Flash Lite対応（同非対応）、FMチューナー（同非搭載）といった機能差があるため、しっかりと棲み分けができそうではあるなりね。

「iPod」以外の骨のある製品を待ち望んでいた人にとっては、一見の価値がある「Clix2」。気になる人はぜひチェックを。