スポーツや文化施設などの名称に企業名を付ける命名権(ネーミングライツ)。1980年代後半に米国で考案された広告概念で、いまやビジネスとして世界で定着しているのだ。日本でも、東京スタジアム→味の素スタジアムや県営宮城球場→フルキャストスタジアム、大阪ドーム→京セラドーム大阪など公営、民営に限らず近年は積極的に導入されている。昨年10月に命名権を導入した渋谷公会堂が渋谷C.C.Lemonホールに変更されたことは、かなりショックだったけど。
そんな命名権、企業だけのものと思ったら大間違いで、個人でも購入できるものが意外と多い。多少のフンパツで名付け親になれちゃうので、人気が高まっているそうなのだ。その具体例を、
産経新聞が挙げているのでご紹介を。
まずは、競馬のレース。同紙では岐阜県にある笠松競馬場(笠松けいば)の「
企業等協賛レース」を紹介している。これは企業だけでなく個人もレースのスポンサーになれるというもので、スポンサーになればレース名を自由に付けることができるのだ。「○○さん結婚記念日杯」や「退職記念杯」「明日から三十路記念杯」など、個人的な記念として命名する人が多いそうで、レース名はスポーツ新聞などにもちゃんと載るのだとか。命名権料は、企業だと1レースあたり5万円以上のところを、個人なら1万円以上。これで場内でアナウンスされたりスポーツ紙に掲載されるのなら、けっこうお得な買い物かも。
笠松競馬場以外にも地方競馬場や競艇・競輪場では個人協賛レースを実施しているところがあって、現在では名古屋競馬場、福山競馬場、高知競馬場、金沢競馬場、戸田競艇場、一宮競輪場などが導入しているのだ。
続いては、東京都が行っている「
思い出ベンチ」事業。東京都が管理する公園や霊園、動物園のベンチを交換する際に、15万〜20万円を支払うと、新しいベンチに金属製のプレートで名前やメッセージを刻むことができるのだ。結婚前に奥さんと通った公園のベンチなんか最適かも。この事業を展開する都公園建設課(建設局緑地部)には問い合わせが多数来ており、今年度も計100基の募集を6月1日から開始する。先着順なので、興味のある方はお早めに。
同紙ではこのほか、動物の命名権や海外での道路、低気圧などの命名権を紹介している。また、「
命名権.com」では、命名権募集の情報を集約して提供しているのでご参考までに。現在は、東京都北区の王子小劇場と青森市民ホールの命名権を募集しているようなのだ。