全国の水族館からラッコが消える? 輸入禁止や育児放棄でピンチ。

2007/03/06 15:47 Written by コ○助

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そのキョトンとした愛くるしい表情や、腹にのせた貝を石でたたき割る仕草など、子どもから大人まで、幅広い年代から人気のラッコ。日本に初めてお目見えしたのは、静岡県・伊豆の三津シーパラダイスが飼育を始めた1982年なのでまだ歴史は浅いなりが、一時は大ブームを巻き起こし、国民的な人気を獲得したなりよね。飼育する水族館も徐々に増え、25年の間にすっかり日本にも定着したなり。

でも、そんなラッコに今、深刻なピンチが訪れているというなり。朝日新聞によると、ピーク時の1994年には全国の28施設で122匹のラッコが飼育されていたなりが、近年は急速な減少傾向となり、今年2月の時点では「サンシャイン国際水族館」「八景島シーパラダイス」「海遊館」「マリンワールド海の中道」など、20施設で53匹しか飼育されていないというなりよ。

減少の理由は大きく2つ。ひとつはラッコの主な輸入先だった米国が、90年代後半から輸出禁止の方針に転換したこと。もともと個体数が少なく、絶滅の恐れがあったラッコを保護する目的で輸出禁止に踏み切ったなりよ。これまで日本が輸入してきた野生ラッコの生息地はほとんどがアラスカだったため、米国経由で輸入することが不可能になってしまったのは大打撃だったわけなり。

もうひとつは、水族館で飼育されているラッコの繁殖力の弱さ。ぬるい環境に慣れてしまっているからなのか、なかなか繁殖しようとせず、また、子どもが産まれたとしても育児放棄をするラッコが続出し、せっかく産まれた子どもが死んでしまうケースが相次いでいるというなり。

こうした状況を打破するべく、日本動物園水族館協会が「ラッコ繁殖検討委員会」を設立。近親交配を避けて交配を促すために、今年2月には須磨海浜水族園(兵庫県神戸市)と、のとじま臨海公園水族館(石川県七尾市)の間で雌ラッコの交換するなど、いろいろと対策を検討しているなりね。水族館間の交換によって交配頻度が高まれば、繁殖への望みはありそうなりが、輸送リスクが極めて高く、なかなか話がまとまらないのが現状だというなり。ただでさえ減少しているラッコを、輸送が原因で死なせてしまったら本末転倒なりからね……。

繁殖がままらない間にも、飼育されているラッコの高齢化が着々と進んでいるため、最悪の場合は全国の水族館からラッコが姿を消す可能性も完全に否定はできないなりよ。未来の子どもたちにラッコを見せてあげるためにも、何か解決策が見つかりますように……。

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