悲願のオスカー獲得、M・スコセッシ監督に会場全体が感動。

2007/02/26 20:26 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


日本時間の2月26日に授賞式が行われた第79回アカデミー賞で、「ディパーテッド」により作品賞と監督賞を受賞したマーティン・スコセッシ監督。これまで監督賞で5度、作品賞2度ノミネートされながらもオスカーを手にしたことがなかったため“無冠の監督”なんていわれていたのだけど、処女作「君みたいな素敵な娘がこんな所で何しているの?」以来、監督歴44年目にしてようやっとアカデミー賞監督となったのだ。

スコセッシ監督の作品は、「タクシードライバー」に代表されるように気怠い雰囲気と細部へのこだわりが特徴。それによって、好き嫌いがはっきり分かれる監督でもあるみたい。こうした点はリメイク作品の「ディパーテッド」でも発揮されているようで、またイタリア系の同監督が好む“移民”や“マフィア”のキーワードも盛り込まれているのだ。

さてさて、今回の授賞式では、ただ「サンキュー、サンキュー」と言い続けていたスコセッシ監督の喜びはもちろんのこと、スタッフ、キャスト、プレゼンターのジョージ・ルーカス監督やスティーブン・スピルバーグ監督、観客と、会場全体がスタンディングオベーションで祝福していたのだ。そのいつまでも鳴りやまない拍手から、スコセッシ監督がいかに多くの人に愛されているかが分かる。

その中でも、特に喜びを噛みしめていたのが主演のレオナルド・ディカプリオ。拍手をしながら目に涙を浮かべていたそうなのだ。自身も今回を含めて幾度も受賞を逃している“無冠の俳優”なのだけど、同じイタリア系で02年の「ギャング・オブ・ニューヨーク」(10部門ノミネートながら1つも受賞できなかった)以来コンビを組んでいるスコセッシ監督の初受賞を、自分のこと以上に喜んでいた。

ようやっとオスカーを手にしたスコセッシ監督だけど、「タクシードライバー」や黒澤明監督の「夢」など、その存在感ある演技にも定評がある。今度は主演または助演男優賞を狙ってもよいかも。また、製作がウワサされているローリング・ストーンズのドキュメンタリー映画にも期待なのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.