手作りキット、講習会……“手前味噌”が静かなブーム。

2007/01/21 12:23 Written by コジマ

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「大寒」を迎えた20日、産経新聞に「男性の間で『手前みそ』がブーム? 自家製が一番」という記事を見つけた。冬は雑菌が繁殖しにくいため、味噌を仕込む最適の時季とされているのだけど、都内の乾物屋さんで味噌の原料である大豆や麹を買い求める男性が増えているそうなのだ。

同紙にも掲載されているように、自家製の味噌を自慢することから生まれたのが「手前味噌」という言葉。昔はほとんどの家が当たり前のように仕込んでいた味噌だけど、最近はスーパーで買うのが主流、自家製は珍しくなってしまった。味噌は麹菌や酵母菌などの働きによって作られる発酵食品ながら、市販のものは味を一定させて腐りにくくするため、完成すると発酵を止めて保存料を加えるのだそう。しかし、自家製ならば菌が生きているので、味噌本来の魅力である味や香りの変化を楽しむことができるのだ。

こうした“手前味噌”人気は都内の男性に限ったことではなく、男女を問わず全国的にじわじわと上昇しているみたい。自家製味噌の作り方を紹介しているサイトは結構あって、その中でも「田舎で暮らそう!」というサイトでは、写真付きで分かりやすく解説している。それによると、用意するものは国産大豆1.3キロ、米麹1.3キロ、自然塩500グラムだそう。さまざまなサイトの情報を総合してみると、大豆と麹は同量で、塩は大豆・麹1キロにつきだいたい400グラムがよいようなのだ。また、「麹から作りたい!」という人は、「男の趣肴」というサイトで米麹・豆麹の作り方も紹介しているので、ご参考に。

しかし、最近は乾物屋さんが減っており、材料を気軽にそろえられない町もある。そんな地域に住む人や買い物が面倒だという人に人気なのが、手作り味噌キット。味噌専門店だけでなく、食品保存容器のタッパーウェアからも発売されているのだ。キットには大豆と米麹、塩、仕込み用の桶などがセットになっており、味噌4〜5キロ分で2300〜3500円くらい。同じ店で販売している市販品と同等のものが作れるだけでなく、値段も3〜4割安くなるのだ。「米五のみそ」では、大豆を煮たり麹を混ぜたりするのが面倒という人のために、桶に詰める前までの行程を済ませた「仕込み味噌」も販売している。

また、味噌作りの講習も各地で開かれており、福井県小浜市で同市農協(JAわかさ)が行っている五徳みそ作り講習や、三重県名張市の農家女性が主催している伊賀産大豆味噌作り講座など、受講者が増えているようなのだ。石川県白山市など、味噌作り講習が盛り込まれたツアーを行っているところもある。

キットにしろ講習にしろ、仕込みが終われば風通しの良い場所に保管し、数カ月ごとにかき混ぜる(真ん中だけが熟成しすぎないように)などの手間がかかるのだけど、味噌の色が変化していき、副産物として醤油のような「味噌溜り」ができる(食べられるのだそう)などの楽しみも満載。今から仕込めば、夏過ぎには完成するそうなので、普段使っている味噌に満足していない人は、手前味噌に挑戦してみては?

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