NHLキングズの福藤豊選手が試合出場、日本人初の快挙。

2007/01/14 16:20 Written by コジマ

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今年は米大リーグへ5選手が移籍し、日本人メジャーリーガーは現在15選手。サッカーは56選手が世界のクラブチームに所属しており、ゴルフの丸山茂樹選手やF1の佐藤琢磨選手、バスケットボールの田伏勇太選手、バレーボールの高橋みゆき選手などなど、こうして見ると海外で活躍する日本人選手が増えているのが分かるのだ。

そうした中、またしても日本人未踏の舞台に上がった選手が現れた。米プロアイスホッケー・リーグ(NHL)のロサンゼルス・キングズに所属するゴールキーパー(ゴールテンダー、ゴーリー)の福藤豊選手。1月11日(現地時間)のサンノゼ・シャークス戦で指を骨折したキングズの正ゴールキーパーに代わって12日にキングズ傘下のマンチェスター・モナークスから昇格したばかりで、次の試合での出場が期待されていたのだ。

13日にウォール真木が住むミズーリ州セントルイスで行われた対セントルイス・ブルース戦、第3ピリオドからついに福藤選手が出場した。19分17秒間ながら、NHLの舞台に日本人が立つのは初めての快挙。日本ではマイナーなアイスホッケーだけど、米国ではアメリカンフットボール(NFL)、野球(MLB)、バスケットボール(NBA)と並んで「4大プロスポーツ」と言われるほどの人気競技なだけに、今後の活躍と注目が期待されるのだ。

福藤選手は1982年生まれの24歳。北海道釧路市出身で、中学時代に全国優勝、高校時代には高校生初となる日本代表に選出された逸材なのだ。2001年にコクドアイスホッケー部(現SEIBUプリンス・ラビッツ)に入部し、02年には米東海岸ホッケーリーグ(ECHL)のシンシナティ・サイクロンズでプレー、04年に行われた世界選手権では日本代表の正ゴールキーパーを務め、同年6月にキングズからドラフト8巡目に指名された。

日本人がNHLでドラフト指名されるのは、92年にモントリオール・カナディアンズに指名された三浦浩幸選手(SEIBUプリンス・ラビッツ)以来2人目の快挙で、ドラフト翌日の北米各地の新聞記事に「8巡目にユタカ・フクフジという日本人がキングズに指名された」と掲載されるほど珍しい出来事だったそうなのだ。よくよく考えてみると、大リーグに移籍した選手でもNBAの田伏選手の場合でも、ドラフトを経て入団していない。調べてみると、過去に4大プロスポーツでドラフト指名された日本人選手は、NBAの岡山恭崇選手(身長は現在ヒューストン・ロケッツで活躍するヤオ・ミン選手より高い230センチ!)のみなのだとか。

福藤選手はドラフト後にECHLベイカーズフィールド・コンドルズを経て、05年にキングズと正式に契約。契約に至らなかったコクドの先輩である三浦選手に代わって日本人初のNHLプレーヤーとなったのだ。しかし、契約直後にケガで傘下のアメリカンホッケーリーグ(AHL)マンチェスター・モナークス、さらにはECHLのレディング・ロイヤルズへ降格。結局、昨季はマイナーリーグのみでのプレーとなった。

昨年10月から始まった今季は、12月の一時昇格を経て、1月12日に再昇格。NHL初出場となった13日の対ブルース戦は、4-5でリードされた場面で氷上に立ち、5本中4本のシュートを防いだものの1本を決められ、チームも5-6で敗れてしまった。それでも福藤選手は「緊張したけど、リラックスしてやれたと思う。まだちょっと出ただけだが、これからのきっかけはつくれたと思う。まだまだ目標はあるし、今回は勉強になったし、これからが楽しみです」(サンケイスポーツより)と、今後の活躍を期待させるコメントをしているのだ。

福藤選手の活躍次第で、日本でのアイスホッケー人気が高まるかも。他の海外で活躍する日本人選手同様、福藤選手にも注目したいのだ。

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