球団との言い分が平行線をたどり、難航を続けているオリックスの中村紀洋内野手の契約問題。5月に左手首を故障したあともケガを押してオリックスに「貢献」したと主張し、公傷扱いを求める中村選手と、今年の85試合、打率.232、12本塁打、45打点の成績では「貢献」は認められないと、下交渉で1億2,000万円減となる年俸8,000万円を提示している球団の溝は深く、28日の交渉では正式な条件提示にも至らなかったなりよ。年内はもう交渉の予定はなく年を越すことが決定してしまったなりが、着地点が全く見えないまま2007年を迎えることになってしまったなりね。
中村選手は茂木立弁護士を代理人に立てて交渉を行っているなりが、これまで4度の交渉では「ノリブランド」をもっと大事にして欲しいという要求をしているほか、球団の誠意や愛がないならば、自由契約や他球団への移籍も検討して欲しいと申し入れているそう。これに対し、球団は「来季も必要な戦力」というスタンスを崩しておらず、基本的には自由契約などの放出案は考えていないなりよ。ただ、このまま両者に歩み寄る姿勢がなければ当然シーズンを迎えるわけにはいかず、どこかのタイミングで自由契約に踏み切る可能性は否定はできないなりね。
こうした中村選手の強硬姿勢に対し、ファンの反応はさまざま……と言いたいところなりが、概ね批判的な声が多いようなり。今年は成績不振を理由に球団から大幅な減俸提示を受け、素直に受け入れるベテラン選手が多いことも、中村選手に対する批判を強めている理由のひとつ。例えばヤクルトの
古田敦也捕手兼監督は1億8,000万円減、巨人から横浜に移籍した
仁志敏久内野手は9,000万円減、中日の
立浪和義内野手は1億2,500万円減など、1億円近い減俸提示にもゴネずにサインをして、すぐに来年の巻き返しを誓う彼らの「潔さ」は好感を呼んでいるなりよ。そういった球界の空気があるだけに、余計中村選手への風当たりが強くなっているなりね。
そもそも論として、中村選手がしきりに訴えている「ノリブランド」に力があるのかどうか、という点もファンしてみれば疑問なところ。2002年オフのメッツとの「FAドタキャン騒動」以降は、下降線をたどる成績や、その後移籍したドジャースでの不満吐露などがイメージを悪化させ、今では決して人気選手とは言い難いポジションになってしまったなりよ。実際に選手のグッズ販売でも、成績が低迷していても人気のある清原和博内野手とはかなりの差があると言われているなり。球団が頑なに「ノリブランド」の価値に対する上積みをしないのは、そういうファンを受けてのものと考えて良さそうなりね。
仮に中村選手の申し入れ通り、自由契約になったとしても国内の他球団が1億円を超える年俸で獲得に動く可能性は皆無。その場合にはメジャーへの再挑戦も視野に入れていると
一部スポーツ紙は報じているなりが、メッツとの不手際やドジャースでの失敗から積極的に獲得に動く球団はなさそうなだけに、まさに八方ふさがりの状況となっているなりね。中村選手が折れて、8,000万円でも「戦力」と認めているオリックスに残留するのが一番良い道のはずなりが……。