2006年のF1は、フェルナンド・アロンソ選手（ルノー）とミハエル・シューマッハ選手（フェラーリ）が僅差でチャンピオンを争い、熱い気持ちで観戦した人も多かったのではないだろうか。結局、アロンソ選手が13ポイント差でチャンピオンとなったのだけれど、そんなエキサイティングなシーズンをみせてくれたF1ドライバーたちの、来季の年俸ランキングが発表されたのだ。

独ビルド紙が行っているこのランキングで毎年トップを守り続け、米スポーツ・イラストレーテッド誌によるスポーツ選手長者番付でも1位になったM・シューマッハ選手が今季限りで引退したため、トップに来る選手が誰なのかが気になるところ。てっきり2年連続で年間チャンピオンとなったアロンソ選手が1位だと思っていたら、来季からM・シューマッハ選手に代わってフェラーリのシートに座るキミ・ライコネン選手が最高額だったのだ。その年俸は2500万ドル（約29億5000万円）で、それでも今季のM・シューマッハ選手より1ケタ少ないのだそう。15日に発表された米大リーグ、ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手の年俸が867万ドルだったので、F1ドライバーがいかに高給取りなのかが分かるのだ。命を張っているわけだし、当然と言えば当然だけど。

来季はマクラーレン・メルセデスに移籍するアロンソ選手は、2000万ドル（約23億6000万円）で2位。ビルド紙は「アロンソは昨季終了時にマクラーレンと契約してしまった点が悔やまれる。（2連覇した）今季に契約していればもっと高額になったはずだ」と分析しているのだ。マクラーレンと言えば、Narinari.comでもお伝えしたように、来季は黒人初のF1ドライバー、ルイス・ハミルトン選手がもう1台のシートに座るのだけど、その年俸はたった50万ドル（約5900万円）。新人とはいえ、F1ドライバーとしてはかなりの薄給なのだ。

驚いたのは、今季1ポイントも獲得できなかった佐藤琢磨選手（SUPER AGURI F1）の年俸が9位となる550万ドル（約6億5000万円）だということ。これは、今季アロンソ選手のチームメイトとして72ポイント（総合4位）だったジャンカルロ・フィジケラ選手（500万ドル）よりも高い額なのだ。佐藤選手のチームメイトとなるアンソニー・デビッドソン選手は、21選手中最低額の20万ドル（約2300万円）となっている。

もっと驚いたのは、引退したはずのM・シューマッハ選手が8位に入っているということ。ランキングで示された600万ドル（約7億1000万円）は、フェラーリのゼネラルディレクターであるジャン・トッドの特別アシスタントとしての報酬額なのだ。引退してもトップ10に入るとは、さすがF1界に君臨し続けた皇帝なのだ。まあ、アシスタントとしての報酬なので、ドライバーのランキングに入るのはおかしいのだけど。弟のラルフ・シューマッハ選手（トヨタ）は、1800万ドル（約21億2000万円）で3位。年俸面で、ようやっとお兄ちゃんに勝つことができたのだ。


☆2007年シーズンF1ドライバー年俸ランキング（ビルド紙調べ）

1. キミ・ライコネン（フェラーリ）　2500万ドル
2. フェルナンド・アロンソ（マクラーレン・メルセデス）　2000万ドル
3. ラルフ・シューマッハ（トヨタ）　1800万ドル
4. ジェンソン・バトン（ホンダ）　1600万ドル
5. ルーベンス・バリチェロ（ホンダ）　900万ドル
6. フェリペ・マッサ（フェラーリ）　800万ドル
7. ヤルノ・トゥルーリ（トヨタ）　700万ドル
8. ミハエル・シューマッハ（引退）　600万ドル
9. 佐藤琢磨（SUPER AGURI F1）　550万ドル
10. ニック・ハイドフェルド（BMWザウバー）　500万ドル
10. ジャンカルロ・フィジケラ（ルノー）　500万ドル
12. デビッド・クルサード（レッドブル・レーシング）　400万ドル
12. マーク・ウェーバー（レッドブル・レーシング）　400万ドル
14. ヘイッキ・コバライネン（ルノー）　300万ドル
15. アレキサンダー・ブルツ（ウィリアムズ・トヨタ）　250万ドル
16. ニコ・ロズベルグ（ウィリアムズ・トヨタ）　150万ドル
16. ロバート・クビサ（BMWザウバー）　150万ドル
18. ビタントニオ・リウッツィ（スクーデリア・トーロ・ロッソ）　60万ドル
18. スコット・スピード（スクーデリア・トーロ・ロッソ）　60万ドル
20. ルイス・ハミルトン（マクラーレン・メルセデス）　50万ドル
21. アンソニー・デビッドソン（SUPER AGURI F1）　20万ドル
※100万円の単位で四捨五入