松坂大輔投手が6年最大70億円でレッドソックス入団、背番号は18。

2006/12/15 21:40 Written by コジマ

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5111万ドル(約60億円)という空前の入札額で米大リーグのボストン・レッドソックスに交渉権を落札された西武の松坂大輔投手。スコット・ボラス氏を代理人にレッドソックスとの契約交渉を始めたものの、5回の交渉でも合意に至らず、地元紙で「基本的に破談となっている」なんて報じられるなど、心配した日米のファンも多かったのではないだろうか。

しかし、期限ギリギリまで使うのが米国流。スポーツジャーナリストの二宮清純氏が「交渉期限直前にお互いが歩み寄り、合意に至るケースが多い」と語っていたように、交渉期間30日を目一杯使ってようやっと契約に至ったのだ。

その内容は、新人としては異例の6年契約で、総年俸5200万ドル(約61億4000万円)、出来高払いを含めると最大6000万ドル(約70億9000万円)。1年当たりだと867万ドルとなり、ライバルとなるニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手が1300万ドル(4年5200万ドル)、シアトル・マリナーズのイチロー外野手が1100万ドル(4年4400万ドル)といったメジャーで成績を残している選手たちに劣らない驚きの額なのだ。出来高払いは、登板試合数や投球回数に対してではなく、サイ・ヤング賞(最多勝利)やMVPなどのタイトルに対するボーナスとなっている。背番号は本人の希望通り、西武と同じ18番を渡された。

さらには、専属トレーナー、マッサージ師、通訳、倫世夫人の専属ヘルパーとして4人のスペシャリストから成る「チーム松坂」を付け、家族を含めた日本からの渡航費、ボストンでの家賃、キャンプ地での滞在費なども球団が負担するそうで、まさに異例の待遇となっているのだ。

こうした“VIP待遇”は球団の期待の表れで、2002年に28歳で抜擢されたやり手ゼネラルマネジャー(GM)のセオ・エプスタイン氏は「(松坂投手は)今後6年間で最盛期を迎えるだろう。応急処置としての補強ではない」(朝日新聞より)と語っているのだ。1903年にレッドソックスをワールドシリーズ初代王者に導いた歴代最多勝投手、サイ・ヤングの再来を期待していたりして。

また、松坂投手のチームメートとなるマイク・ローウェル内野手は「もちろん、興奮している。おれたちの投手陣は、これで一段階レベルアップするはず」(MAJOR.JPより)と歓迎しており、今オフにヤンキースへ移籍するまで18番を付けていたジョニー・デーモン外野手(レッドソックス在籍時はエプスタインGMと共に「ダンキンドーナツ」の米国内向けCMに出演した)は「メジャーのエースとなる可能性を持つ投手」()と高く評価しているのだ。

14日にレッドソックスの本拠地フェンウェイパークで入団記者会見を行った松坂投手は、こうした期待に対して緊張感を感じているものの、「先発ローテーションに入れるよう頑張る」「ワールドシリーズ制覇に向けて力になりたい」と、控えめながら自信もみせている。

「ぼくはもともと、『夢』という言葉が好きではない。見ることができてもかなわないのが『夢』。今ぼくがここにいるのは、メジャーの舞台で投げられると信じてやってきたためだと思う」と語った松坂投手、ニューヨークタイムスやワシントンポストなど否定的な論調の新聞も少なくないようだけど、こうした米国の口うるさいマスコミや野球ファンが納得するのは、永遠のライバルであるヤンキース戦のマウンドでデレク・ジータ内野手やアレックス・ロドリゲス内野手、そして松井外野手を打ち取ったときかもしれない。ひと足先にレッドソックス入りした岡島秀樹投手への継投も含め、今からワクワクしちゃうのだ。

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