重症?軽症?迷ったら#7119、東京消防庁が「相談センター」新設。

2006/12/13 22:13 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


年末・年始はさまざまな理由で救急車を見かける機会が増えるのだけど、近年問題になっているがその不適切な出場要請。東京都内における昨年の救急車出場件数約70万件のうち、実に6割が緊急性の低い軽症だったのだそう。「話し相手が欲しくて」「タクシーがつかまらなかったので」という非常識な理由で呼ぶ軽症患者が後を絶たず、なかには1人で不要な出場要請を101回もした人がいたのだとか。

大都市では1隊当たりの年間出場件数が4000件を超えており、もはやパンク寸前。それだけでなく、不適切な出場要請による損失額が年間で2億円を超えている消防局もあるそうなのだ。

とはいえ、いざ病気になると、本人はおろか周りの人は戸惑ってしまい、判断力が鈍るのも確か。ぼくも数年前に父がアナフィラキシー(食べ物アレルギーの発作)を起こしたときにはオロオロしてしまい、すぐに「119番」に電話してしまったし。

こうした市民の不安感を和らげつつ救急車の出場件数を減らす打開策として、東京消防庁が「救急相談センター」を来年5月に新設するのだ。「#7119番」でつながる同センターでは、けがや病気の程度から救急車の出場の必要があるかどうか、不要な場合でもすぐに病院に行ったほうがよいかなどの相談を24時間態勢で受け付ける。

この番号は元々最寄りの医療機関を案内するものだったので、もちろんその役割も引き継ぐようなのだ。ほかにも、応急処置のアドバイスや、救急車の出場が必要な場合は要請も行ってくれる。相談には、定年退職した救急隊員OBや看護師が当たるのだそう。

東京都はこのセンターの新設に約2億円を投入して支援するそうだけど、1年間の不要な出場要請による損失額でまかなえちゃう。この試みが成功すれば、空費に頭を痛めている自治体も追随しそう。来年5月からは、「迷ったら#7119、緊急の場合は119」なのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.