無邪気な抱擁さえもセクハラ? 米で4歳児が停学処分に。

2006/12/11 09:45 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカ人は抱き合うのが挨拶代わり。家族以外でしょっちゅう顔を合わせる相手はともかく、久々に会えた人などにその喜びを伝えるには、まずハグ("hug" = 抱きつくこと)。何か嬉しいことをしてもらって、その感謝の気持ちを表現するのにも、ハグ。誕生日の「おめでとう」もハグ。そしてもちろん、別れの時もハグ……。親が子供を抱きしめることも日常茶飯事で、そんな文化で育っている子供たちは、小さい頃から両手を広げて誰かに抱きつく仕草を、自然と身に着けているようです。

幼稚園や小学校でも、先生と生徒、または生徒間の友達同士でハグをしているのを見かけることが珍しくありません。ウォール真木も長女のクラスにボランティアに出かけると、必ずのように生徒の誰かが抱きついてきてくれます。幸せ(笑)。しかしこのスキンシップが、先日テキサス州の幼稚園で大問題になってしまったというから驚き。

ダマルカス・ブラックウェルさんはテキサス州のベルミードという町に住んでいますが、先月11月に、息子さんが通う学校から届いた通知の内容に目を丸くしてしまいました。なんと彼の4歳児が学校内で

「性行為、またはセクシャル・ハラスメントとも受け取れる行為を行った」

として、停学処分にされたというのです。なんでもアシスタント教員に抱きつき、胸に顔をうずめた……というのが問題の行動だったそうなのですが、その後その息子さんは丸一日、校内にある「反省室」で過ごさねばならなかったとか。しかもその事実は後日になってから、やっと手紙で保護者に伝えられたという……。

もちろんブラックウェルさんとその奥さんは、学校に対して大憤慨。無邪気であっただろうハグを「セクハラ」呼ばわりされたのですから。生徒がこういった罰を受けた場合、学校内の記録にも残ってしまい(いわゆる内申書)、後々の彼の進学にも支障になってしまう可能性もあります。しかも反省室に入れられたことは事後報告で、息子さん自身はなんで反省室に入ったのか、それも理解していないといいますから、学校の対応も極端な上にかなりいい加減です。

そしてご両親が学校に苦情を申し入れたところ、学校側は通達の性的な表現をあらため、「喜ばしくない身体のコンタクト」と文面を訂正したそうですが、それでもハグがいけない行為だというスタンスは曲げていないそう。学校の説明によると、行為自体が問題ではなく、注意を受けたのにそれを止めなかったのがヤバかったんだとか。ってことは、息子さんは胸に顔をうずめて、その気持ちよさに思わず我を忘れてしまったということか……。しかし、それでさえもわかる気もする。なにせ大人で女であるウォール真木でさえも、ちょっとふくよかなおばちゃんにハグされると、思わず胸の重圧に、性的なものを感じなくても気持ちよくなって、離れるのが惜しくなりますから(笑)。

なにはともあれ、まだ4歳。乳離れしているともいい難い年頃なんだから、なにもセクシュアルな意図はなかったハズ。学校は大騒ぎし過ぎだったと認めてほしいですねぇ。

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