辞書も出版、英国で大流行の言語「ヒングリッシュ」って何?

2006/12/06 22:57 Written by コジマ

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ゲール語やウェールズ語、アイルランド語などさまざまな言語が存在する英国。そういえば、労働者階級出身のミュージシャンがよく使う「コックニー」なんてロンドンの下町言葉もあるのだ。こうした方言に加えて、最近では「ヒングリッシュ(Hinglish)」という言語が流行しているそうだ。

ヒングリッシュは、「mixture of Hindi and English widely spoken in India」のこと。つまりインドで使われていた英語という意味なのだ。それが、インド系移民の多い英国でも使われ出した。音楽シーンでも1990年代初頭にインド系英国人たちによる「バングラ・ビート」なるジャンルがブームとなったし、昨年はそのバングラ・ビートにテクノやレゲエ、ヒップホップをミクスした女性シンガーM.I.A.(本人はスリランカ出身)が大ブレイクしたことからも、英国におけるインド文化は市民権を得ているようで、ヒングリッシュの流行もその一端なのかもしれない。

英国でのヒングリッシュは、白人とアジア系の間で交わされた冗談から始まっているようで、これがインターネットなどを通じて広まったそうなのだ。現在では、白人の若者を中心に流行しているのだという。この流行から、今年11月にはヒングリッシュの辞書までも出版された。その名も「The Queen's Hinglish」。イギリス英語を表す「Queen's English」とかけているのは一目瞭然だけど、ヒングリッシュがいかに受け入れられているかが分かるのだ。

では、ヒングリッシュにはどういう言葉があるのか。イザに掲載されている「喉が渇いた」という意味の「グラッシー(glassy)」(「グラス=glass」の転訛)のほか、「粗野な、無教育の」という意味の「ジャングリ(jungli)」(「ジャングル=jungle」の転訛)、「帰国子女」という意味の「フォーリン・リターンド(foreign-returned)」などなど、「インド訛りの英語」だけでなく、和製英語に近いものもあるのだ。この先、和製英語が「ジャグリッシュ」として英国で流行ったりして。日本人移民の数が少ないのでそれはなさそうだけど。

そういえば、ぼくがインドに行ったときに「サービス(service)」のことを「サルビス」と発音されて分からないことがあった。これもヒングリッシュなのだろうか。かつては英国の一地方であったインド。ヒングリッシュも方言として捉えているのかもしれない。

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