汚い言葉は職場でご法度、インディアナ州の市役所で罰金システム。

2006/12/06 10:33 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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あぁ、気が付けば今年も12月。もうすぐクリスマスですなぁ。日本の年末助け合いじゃありませんが、アメリカでもこのホリデー・シーズンは何かとチャリティー活動が活発になる季節。例えば "Toy for Tots" という活動は、貧しい家庭の子供たちにもクリスマスのプレゼントを贈ろう、というチャリティーで、アメリカ海兵軍(US Marine Corp)が主催しています。

この他にも "Food Drive" といって、缶詰などの保存食を教会や学校などの団体が周囲のコミュニティから集め、それを恵まれない人々に配るのです。ぱっとした贈り物じゃないけれど、すぐに役に立つ品を人々が持ち寄ってプレゼントする活動は、アメリカではとても一般的。あと冬用の衣類(ジャケットやブーツ)などを寄付することもあります。

さて、そんなチャリティー活動が盛んなアメリカ。インディアナ州のポーテジという場所の市役所では、これまた一風変わった寄付金集めをしています。なんでも職員が勤務中に「汚い言葉」を使った場合、職場が罰金を徴収するのです。今年7月から始まったシステムだそうで、今までに120ドル(日本円で約14,000円ほど)が集まっているとか。

罰金額にはレベル分けがされているそうで、より汚い言葉だと高額になる仕組み。まあそれでも最高課金額は1ドル50セント程度だそうなので、200円以下といったところでしょうか(笑)。それでも今までに相当の罵詈雑言が、この職場で吐かれた計算になりますなぁ。

面白いのが、この罰金システムには手持ちのない職員に対して「借用書」が発行されたり、逆に「最近ストレスたまってるからなぁ、思わず悪い言葉が口から出てしまいそう……」と感じる人が先に「前払い」するケースもあるということ。結構みなさん、シリアスにこのルールに従っているみたいです。実際、職場以外の場所でも言葉遣いに気をつける職員が増えてきたとか。

集まったお金ですが、今月末にイリノイ州のシカゴにある小児科病院でがんと戦う子供たち宛てに、ギフトカードとして贈られる予定。同市役所で働くエレン・メシックさんのおいが昨年、この病院で闘病の末亡くなっているそう。この辛い経験があってから、彼女は何か病気で苦しんでいる子供たちを励ますことが出来ないか……と考え、その結果この汚い言葉への罰金システムを思いついたのだそうです。

慈善活動と、職場のモラルを向上させる目的がふたつ一緒になったこの試み、なんだか面白いと思いませんか。

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