第23回流行語大賞発表、2006年の言葉は「イナバウアー」と「品格」。

2006/12/01 22:14 Written by コジマ

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師走に入り、2006年もあとわずか。若い頃、年上の人たちに「年を取るにつれ時間の経過が速くなるよ」なんて脅されたけど、30歳を過ぎてそのことひしひしと実感しているのだ。これから新聞や雑誌、テレビなどで今年を振り返る話題が増えてくるだろうけど、そういった年末行事の1つとなった「流行語大賞」が発表されたのだ。

「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)はご存じのとおり、その年に話題になった言葉を表彰するもの。23回目を迎えた今年も、11月15日に発表された60の候補語を見てみると、「美しい国」や「エビ売れ」、「がっかりだよ!」、「ググる」、「チョット、チョットチョット」、「ユーチューブ(YouTube)」などなど、多種多様な言葉が選ばれているのだ。さまざまなパフォーマンスでわかせた元プロ野球選手の新庄剛志や、過激な発言で賛否が分かれたボクシングの亀田兄弟に関する言葉は、2つずつノミネートした。

こうした数ある言葉のなかから、今年最も流行った言葉として「イナバウアー」と「品格」が大賞に選ばれたのだ。「イナバウアー」はご存じのとおり、トリノ五輪のフィギュアスケート金メダリストである荒川静香選手の得意技。日本だけでなく世界的にも有名な技で、ビヨンセが新曲のプロモーション・ビデオでマネ(?)していたほど。反ったエビの天ぷらが乗せられた「イナバウアーそば」が登場するなど、五輪以降はしばらく話題になった言葉なのだ。

もう一方の大賞である「品格」は、ベストセラーとなった数学者・藤原正彦著の「国家の品格」から来ている。この本を読んでいないためか、この言葉を聞いてもいまいちピンとこないのだ。ぼくの周囲でも年齢を問わず話題にならなかったし。ただ、ベストセラーになったほどの本なのだから、世間的には流行した言葉なのかもしれない。

このほかのトップテン受賞語は以下のとおり。

・ 「エロカッコイイ」(倖田來未、歌手)
・ 「格差社会」(山田昌弘、東京芸大教授)
・ 「シンジラレナ〜イ」(トレイ・ヒルマン、日本ハム監督)
・ 「たらこ・たらこ・たらこ」(キグルミ、歌手)
・ 「脳トレ」(川島隆太、東北大学教授)
・ 「ハンカチ王子」(斎藤祐樹、早稲田実業野球部)
・ 「ミクシィ」(笠原健治、ミクシィ社長)
・ 「メタボリックシンドローム(メタボ)」(日本内科学会)

トップテンに入る言葉は毎年、「ふむふむ」と納得できるものだけでなく、「むむむ」と疑問を持つものが少なくなかったのだけど、今年は比較的よく見かけた言葉が選ばれているのではないだろうか。

とはいえ、多様化が加速している世相にあって、全世代、いや全個人に共通して認識される流行語が生まれにくくなっているのも確か。ITmediaの「シロクマ通信」で小林啓倫氏が述べているように、世代別などセグメントを分けたものが必要となってくるのかもしれないのだ。

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