コンセントに差すだけでネット接続、日本初のPLCモデムの実力は?

2006/11/21 13:36 Written by コ○助

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パソコンや家電の電源コードを、コンセントに差し込むだけでインターネットを楽しめる……。複雑な配線は不要、理論上は家電すべてを簡単にネットと接続させることも可能な電力線通信(PLC;power line communication)。数年前から「夢のインターネット環境」として一部で注目されてきた新しい技術なりが、ついに12月、松下電器産業から電力線通信に対応したPLCモデムが発売されるなりよ。有線LANはケーブルが長くなる、無線LANは電波が届きにくいなど、ネットを利用するにあたってなにかと不便を感じていた人には魅力的な製品に違いないなりね。一般家庭で、コンセントのない家はほとんどないことを考えれば、かなりの可能性を秘めている技術とも言えるなり。

松下電器産業が12月9日に発売するのは、最大190Mbpsの通信が可能な「PLCアダプター スタートパック(親機と子機の2台セット)」(20,000円前後)と、「PLCアダプター 増設用アダプター」(13,000円前後)。利用するためにはADSLやFTTHなどのネット回線を予め引き込んでおく必要があるなりが、その回線をPLCモデムの親機に接続。あとは各部屋に子機を設置しておくだけで、ネットに接続することができるなりよ。小難しい配線は一切不要なりね。

このPLCモデム、実際の使い勝手はどうなのか、スピードはどの程度出るのか、そのあたりについて、早速ITProが検証を行っているなりよ。興味のある人も多いと思うので、どのような製品なのか、簡単に見ておくことにするなり。

「PLCアダプターは驚くほどノイズの影響を受けやすい。具体的には、ノイズフィルターや雷サージ機能の付いた電源タップや携帯電話の充電器など、家庭でごく一般的に使う機器は、PLCの利用を考慮して接続する必要がある」
「電源タップを経由させてPLCアダプターをつなぐのはご法度。1台だけ経由させただけで、実効速度は約10Mbpsも下がった」
「最も気を配るべきノイズ源は、携帯電話の充電器やパソコンの電源などに代表されるACアダプターだった」
「まとめると『理想的な環境なら、最大約30Mbps。電気製品をいくつも使う一般的な環境では、最悪10Mbps程度まで落ち込む可能性あり』といったところか」(ITProより

ITProの検証に従えば、携帯電話の充電器などのACアダプタの干渉を受けやすく、同じコンセントに差さっているだけでネットの速度がガクンと落ちてしまうようなりよ。また、電源タップを経由させると速度が落ちるだけでなく、ネット接続自体を確立できない場合もあるのだとか。PLCモデムと同価格帯で無線LAN機器が購入できてしまうことを考えると、現時点ではまだまだPLCモデムを積極的に導入する理由が希薄、との結論のようなり。

とはいえ、電力線通信はまだまだ出始めの新しい技術。今後、二世代、三世代とバージョンアップを重ね、ほかのメーカーからも製品が登場して切磋琢磨していけば、現在抱える問題は解決されていくだろうし、これからに期待したい技術ではあるなりね。もちろんこの技術を活用すれば、パソコン以外の家電やAV機器がネットに接続しやすくなるのも確かなので、どのような進化を遂げていくのかは注目しておきたいところなり。

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