11月15日に初のベスト・アルバム『ストップ・ザ・クロックス』を発売したオアシス。Narinari.comでもお伝えしたとおり、ノエル・ギャラガーとゲムがリリース当日には東京・恵比寿のLIQUID ROOMでMySpace主催のシークレット・アコースティック・ギグを行ったのだ。そのようすはBARKSに掲載されているので、興味のある人はどーぞ。

その翌日には、オアシス史上初のロードムービー「Lord Don't Slow Me Down」のプレミア試写会が、東京・渋谷のSHIBUYA-AXで開かれた。そこにお邪魔してきたので、レポートするのだ。

AXの会場は招待客で埋め尽くされていた。お目当ては、映画よりもこの日出演するノエル・ギャラガーのようだった。しかし映画が始まると、この観客が一斉にスクリーンに引きつけられたのだ。

「Load〜」は、日本公演も行われた世界ツアー「Don't Believe The Truth 2005/06」のドキュメンタリー映画。約1時間半にわたり、ライブや楽屋の様子、街での行動などを追いかけている。日本公演では、ぼくもよく行く楽器屋さん「KEY渋谷店」にリアム・ギャラガー以外のメンバーが立ち寄っていて、ドラムのザック・スターキー（リンゴ・スターの息子）が興味深そうにドラムの教則本を読んでいたのだ。

楽屋のシーンでは、同ツアーで前座を務めていたカサビアンのメンバーがたびたび登場。仲の良さが伝わってきたのだ。それでもリアムとノエルはライブ以外でほとんど近くにいることがなく、一緒に入った飲食店で名物の兄弟喧嘩も披露。リアムがテーブルをたたいて激昂する場面が見られた。こうした素顔のオアシスが見たいなら、オススメの映画なのだ。

上映が終わると、ノエルが登場。会場は興奮の渦に。そんな歓声をものともせず、「やあ」と軽い挨拶で応えていた。トークが始まり、劇中で語っていた「日本公演での機材は最悪だった」ということに関して司会者が「日本の機材は悪いですか？」と聞くと、「いや、ツアーの機材は自分たちで持ち込んでいるからね」と回答していた。そりゃまあ、そうだ（笑）。

映画が制作されるに至った経緯については、もともと「レット・ゼア・ビー・ラヴ」のプロモーション・ビデオを撮る目的でカメラを回していたのだそう。映画にすることは誰が言い出したか忘れたというけど、「大の大人がボードゲームで遊ぶ姿なんて、誰が見たがるんだろうと思ったよ」（劇中でノエル以外のメンバーがボードゲームをして大いに盛り上がっていた）なんて語っていたのだ。

映画の感想については、「オレは（会話のなかで）『ファック』をいっぱい使っているな。そして、自分がおしゃべりだということが分かった」と述べ、劇中のリアムの行動については「お互い理解し合ってるので別に驚くことはなかったけど、ヤツのサングラスはスゴイよな。オレとしてはどうかなと思うけど」（リアムのサングラスは派手で、出てくるシーンごとにフレームが変わっていた）としていたのだ。

司会者とのトークが終わると、来場者の質問に答える「教えて！兄貴！」が始まった。その内容を見てみると、

Q　来年のフジロックに来てくれますか？（会場が大いに盛り上がる）
A　ノー（即答）。何もないときに来たらアルバムを出したときに来られなくなるだろ？

Q　メンバー内で流行っている言い回しがあったら教えて
A　うーん、「ファック」だな（笑）。オレたちはいつも一緒にいるわけではないから、特にないよ。

Q　シャンプーは何を使ってますか？（会場が大爆笑）
A　うーん、何ていったっけ……。あの、白いボトルのヤツだよ。えー、分かんねえや。

Q　リアムが兄弟じゃなかったら、バンドを組んでましたか？
A　ノー。あいつは狂ってるからな。

Q　リアムと似ている部分はありますか？
A　みんなが思っているより似ている部分はたくさんあるよ。音楽や服の趣味も、人生観も。そして、シャンプーも同じものを使っているしね。でも、サングラスの趣味はオレのほうがいいけどな。

Q　リアムにどうしても言えないことってありますか？
A　ヤツは批判されることをすごく嫌がる。批判するとすんごい勢いで怒るんだ。「ライラ」でも、自分のイメージ違う歌い方をしていたんだけど、それを伝えるのに苦労したよ。あと、ヤツはよく短パンを穿くことが多いんだけど、大人の男が短パンなんておかしいだろ？　でも、そのことは結局言えなかったな。

Q　お気に入りの朝食は何ですか？
A　うーん、ギネス・ビールかな（笑）。今朝はフルーツとシリアル、紅茶だったかな。朝食は大事だからな。

Q　髪を切るときに何て言えばその髪型になるんですか？
A　写真を持って行くのが一番だろ（笑）。オレならそうするね。

Q&Aにはノエルも乗り気だったようで、司会者が切り上げようとしても新たな質問が書かれた紙を司会者に渡して続行を促していたのだ。そして、会場の人たちはうすうす感づいていたようだけど、サプライズ・ライブを開催。前日のシークレット・ギグとは違い、ノエル1人がアコギ1本で演奏して歌ったのだ。演目は、「ドント・ゴー・アウェイ」と「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」。うーん、なんて贅沢な試写会なんだろう。

その後、オアシス公認のTシャツなどが当たる抽選会が開催され、試写会は終了した。こんな豪華なイベントに無料で招待されたお客さんたちは、本当にラッキーだったのだ。