「UK音楽の殿堂」式典で一夜限りのスーパー・バンドが誕生。

2006/11/10 14:20 Written by コジマ

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今年も11月14日にロンドンで開催される英音楽祭「UK音楽の殿堂(UK Music Hall Of Fame)」。第3回を迎える今回は、ジェイムス・ブラウンやレッド・ツェッペリン、プリンス、ロッド・スチュワート、ブライアン・ウィルソン、ボン・ジョヴィなどが殿堂入りする予定で、特別栄誉会員には「5人目のビートルズ」として有名なプロデューサーのジョージ・マーティンが内定しているのだ。

ジョージ・マーティンは息子のジャイルズと共に、11月21日リリースのビートルズの新作『LOVE』を手がけたことは、Narinari.comでもお伝えしたとおり。オノ・ヨーコ提供というジョン・レノンが自宅で録音した「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に「イン・マイ・ライフ」や「ペニー・レイン」が重ねられていくというその内容は、待ちきれないほど楽しみなのだ。

そのジョージ・マーティンが特別栄誉会員に選ばれたことによって、式典で一夜限りのビートルズ・トリビュート・バンドが結成されることとなったようなのだ。参加メンバーは、レイザーライトのフロントマンであるジョニー・ボーレル、クイーンのドラマーであるロジャー・テイラー、UKイチオシ新人女性シンガーのコリーヌ・ベイリー・レイ、優しいアコースティック・ギタリストのホセ・ゴンザレスなどというから、まさにスーパー・バンド。ジョニー・ボーレルとコリーヌ・ベイリー・レイのコーラスなんて、すごく聴いてみたいのだ。しかも、ジョージ・マーティン自らが、31人編成のオーケストラを指揮するという。

演奏曲は、ビートルズの実質的な最後のアルバムである『アビィ・ロード』の“B面”に収められている、「ゴールデン・スランバーズ」「キャリー・ザット・ウェイト」「ジ・エンド」のメドレー。「ジョンよりビートルズを愛していた」といわれるポール・マッカートニーの“最後の意地”の結晶なのだけど、ピアノから入り、オーケストラ、そしてロックとつながるところが今回どんな風に表現されるのか、楽しみなのだ。最後の最後である「ハー・マジェスティ」も追加してほしいな。

式典ではこれだけでなく、ジェームス・モリソンがロッド・スチュワートの曲を、そして、ウルフマザーがレッド・ツェッペリンの曲をそれぞれ演奏するそうなのだ。ハード・ロック全盛時代を彷彿させるウルフマザーのツェッペリン・カバー、これは新旧ファンを虜にするに違いない。

UK音楽の殿堂は、米国の「ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)」に対抗して04年に始まった音楽祭。これまでに、エルヴィス・プレスリーやビートルズ、ボブ・マーリィ、マドンナ、U2、ローリング・ストーンズ、クイーン、マイケル・ジャクソン、ジミ・ヘンドリックス、ボブ・ディラン、ザ・フー、ジョイ・ディヴィジョン/ニュー・オーダー、キンクス、ピンク・フロイド、ブラック・サバス/オジー・オズボーンらが会員に選出されている。

今年の授賞式のもようは、11月16日に英国で、11月25日に米国で放送されるのだそう。なんでも、この放送は英国の国際音楽祭番組としているために規制が厳しいらしく、英国外では米国のVH1でしか放送できないそうなのだ。なんとか日本でも放送されないかなあ。

このほか、ビートルズ関連のニュースとして、ビートルズが使用したアビィ・ロード・スタジオが、9日で75周年を迎えたのだ。これまでにピンクフロイドやジェフ・ベック、オアシス、ブラー、レディオヘッド、マニック・ストリート・プリチャーズ、トラヴィス、スパイス・ガールズらがレコーディングしたスタジオとして有名なのだ。

最近でも、話題となっているU2とグリーンデイのコラボレーション作品がレコーディングされるなど、その存在はまだまだ健在。EMIのデヴィッド・ホーリー常務は「このスタジオに入るといつも、私の周りに(ジョン・レノンやシド・バレットらの)霊がいることを感じる」と、英紙インディペンデントに語っているのだ。

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