西武の今オフ大型補強はなし、松坂投手の移籍金は赤字補填に。

2006/11/09 21:59 Written by コジマ

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松坂大輔投手の応札が9日に行われ、最高入札金額球団が確定して米大リーグ機構から西武に通達されたのだけど、球団名は伏せられたまま。AP通信がニューヨーク・ヤンキースが応札したことを伝えたほか、ニューヨーク・メッツやボストン・レッドソックス、シカゴ・カブス、テキサス・レンジャーズなどが参加したという。西武が14日までに受諾すれば、落札球団が松坂投手との30日間の交渉に入る。いよいよ、メジャーリーガー・MATSUZAKA誕生までのカウントダウンが始まったのだ。

今回の入札、日米のメディアでは20億〜30億円が“落札ライン”と予想されているのだけど、この莫大な移籍金の使い道が気になるところ。本来なら、松坂投手の穴を埋めるための資金であるため、日本プロ野球で今オフの目玉選手である日本ハムの小笠原道大内野手や岡島秀樹投手の獲得に動くはずなのだけど、台所事情の厳しい西武、どうやら親会社(西武ホールディングス)の赤字補填に全額充てられるそうなのだ。

西武ホールディングスはご存じの通り、旧コクドや旧プリンスホテルの事業を引き継いだ会社。ワンマン経営者であった堤義明前社長が築いた企業体質を改善するため、スキー場やプリンスホテル、ゴルフ場などの売却を進めて立て直そうとしているのだけど、西武ライオンズもその1つとされてきたのだ。2004年の球界再編問題時はライブドアに約200億円なんて法外な売却額を吹っかけて、あっさりとフラれてしまったなんてことがあった。

西武ホールディングスが抱えている赤字は今年3月期で、プリンスホテルが372億円、西武鉄道が326億円。この金額と比べると松坂投手の移籍金は微々たるものに見えるけど、どうやら球団の存続には貢献できるようなのだ。ZAKZAKによると、松坂投手が今オフの移籍にこだわったのも、球団事情を考慮したうえでのことだったいう。うーん、なんて球団思いの選手なんだろう。

球団は、10日以降の取締役会で受諾を検討するそうだけど、最高入札額が予想より低かったために結論を延ばしたとする報道もなされている。ただZAKZAKでは、落札ラインとされている20億〜30億円を超えた場合は、明日の10日にも受諾し、下回った場合は週明けの13〜14日に回答する予定と報じているのだ。

いずれにせよ、松坂投手はこれで育ててくれた球団への恩は返せることとなる。すっきりとした気持ちで米国にわたってほしいのだ。

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