入札高額化に「松坂獲り」撤退球団続出、井川投手の人気上昇。

2006/11/06 12:49 Written by コジマ

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プロ野球今季オフの最注目は、なんといっても米大リーグへの移籍を表明した西武の松坂大輔投手。日本球界での実績に加え、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での活躍、大リーグにも影響力のある千葉ロッテ、ボビー・バレンタイン監督のお墨付きを頂いているということもあり、ニューヨーク・ヤンキースやニューヨーク・メッツ、ボストン・レッドソックス、シカゴ・カブス、セントルイス・カージナルス、テキサス・レンジャースなどが興味を示し、最終的に6球団の入札が予想されているそうなのだ。

また、入札額20億円以上、年俸12億円以上で獲得総額70億円以上と噂されたり、ポスティング・システム(入札制度)の悪用を阻止するため、大リーグ機構(MLB)は法外な額を入札した場合に、2番目に高い球団に交渉権を与えるということを発表したりなど、日米野球ファンの関心がいかに高いかが示されている。

しかし、松坂投手の獲得資金があまりに高額なため、シアトル・マリナーズやロサンゼルス・エンゼルス、ロサンゼルス・ドジャース、ボルティモア・オリオールズ、ワシントン・ナショナルズなど、多くの球団が相次いで撤退表明。投手事情が厳しいこうした球団が次に目をつけたのが、同じく入札制度で大リーグ移籍を目指す阪神の井川慶投手なのだ。

井川投手の大リーグでの評価は、松坂投手と比べるとやはり落ちるものがある。入札予想額も、現段階では雲泥の差。しかし、実力的には獲得金額の差ほど劣らないことが米国でも明らかになりつつあり、“割安感”のある井川投手の人気が高まっているようなのだ。

これまでに井川投手への入札をほのめかしていたのは、松坂投手への入札も考慮していたマリナーズ、ドジャースのほか、クリーブランド・インディアンス、カンザスシティ・ロイヤルズ、オークランド・アスレチックスといった台所事情が苦しい球団が多い。しかし、ここへきて松坂投手からの撤退を表明していないレッドソックスも参加する可能性があると、地元紙のボストン・ヘラルドが報じているのだ。

また同紙は、井川投手獲得の最有力候補はアトランタ・ブレーブスとも伝えており、「松坂獲り」を狙う多くの球団が方針を転換すれば、井川投手の入札額も高騰する可能性を示唆している。ダラスモーニングニューズ紙も、レンジャースが松坂投手獲得への準備を整えたと報じる一方、井川投手への関心も持っていることを伝えているのだ。

とはいえ、大リーグの今季オフで最も注目されているのは、松坂投手でも井川投手でもなく、サイ・ヤング賞を獲得したアスレチックスのバリー・ジト投手。スポーツ専門局ESPNが「松坂とジト、あなたが獲るならどちら?」というファン投票では、ジト投手が71%と圧勝しており、ここに井川投手が割って入る隙間はなさそうなのだ。

「性格的にはメジャー向き」とも言われる井川投手。韓国でも話題になった「井川伝説」が米国に渡ったとしても、“変人”に寛容な米国なら逆に歓迎される可能性もある。井川投手が来季どこの球団で活躍するのか、そして独特のキャラクターが米国でどのように受け取られるのか、目が離せないのだ。

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