毎日新聞が読書調査、「好きな著者」で司馬遼太郎が首位に。

2006/10/27 23:57 Written by コジマ

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最近、電車の中で本を読んでいる人をあまり見かけなくなった。かくいうぼくも、読書量がめっきり減っているのだ(そのわりに漫画はしっかり読んでいる)。そんな読書について毎日新聞が1949〜92年まで調査していた「読書世論調査」が14年ぶりに復活し、「好きな著者」の項目で、司馬遼太郎が91年の調査以来、15年ぶり4度目の首位を獲得したのだ。

司馬遼太郎は、NHK大河ドラマ「功名が辻」の影響は否定できないだろうけど、「好きな著者の一番好きな作品」の項目では、「竜馬がゆく」「坂の上の雲」が挙げられている。綿密な歴史検証や「司馬史観」に裏打ちされたスケールが大きい作品群は、もはや説明不要。ぼくも最初に夢中になった作家なのだ。

2位に選ばれたのは池波正太郎。テレビでも人気の「鬼平犯科帳」や「剣客商売」シリーズが「一番好きな作品」に挙げられている。ぼくは、句点のたびに改行する手法や登場人物が強すぎるという設定が大味過ぎてイマイチ好きになれないのだけど、美食家で有名な彼のエッセイは大好き。「男の作法」は必読なのだ。

1、2位のほか、4位松本清張、5位夏目漱石とすでに亡くなっている作家が多く並ぶなか、宮部みゆきが3位となった。特に女性の人気が高かったようで、「一番好きな作品」では、先日公開された映画の原作である「ブレイブ・ストーリー」や、こちらも映画化された「模倣犯」、山本周五郎賞を受賞した「火車」などが挙げられたのだそう。現代随一のミステリ作家として有名な宮部みゆきだけど、昨年、突然の訃報に絶句させられた漫画家で江戸風俗研究家の杉浦日向子の弟子でもあり、時代作家としても定評がある。

このほか、「東京タワー」がミリオンセラーとなったリリー・フランキーが初登場で9位、「白い巨塔」がドラマでリメイクされた山崎豊子が五木寛之と共に10位となっている。ぼくが敬愛する藤沢周平は、残念ながらベスト10には入らなかったようなのだ。「たそがれ清兵衛」や「隠し剣」、「蝉しぐれ」、「盲目剣谺返し」(映画タイトルは「武士の一分」)など近年はたくさん映画化されているのになあ。あの作品全体に木枯らしが吹いているような雰囲気が、今の時代に合ってないのかもしれない。

読書の秋、長い夜に評判の新刊を読んだり、好きな作家の作品を再読したりして過ごすのもよいかも。ぼくも買いだめしている本を読み崩していこうかな。


☆毎日読書調査「好きな著者」

1. 司馬遼太郎
2. 池波正太郎
3. 宮部みゆき
4. 松本清張
5. 夏目漱石
5. 西村京太郎
7. 吉川英治
7. 赤川次郎
9. リリー・フランキー
10. 五木寛之
10. 山崎豊子

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