ニルヴァーナのカート・コバーン、死後に最も稼いだ有名人に。

2006/10/25 23:12 Written by コジマ

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マイケル・ジャクソンを代表とするMTV全盛のなか、若者が抱える暗い側面と爆発的な叫びを表現して音楽界のトップに躍り出たニルヴァーナ。昨年、未発表曲などを集めた『スリヴァー』やBBC制作のドキュメンタリー「カート・コバーン オール・アポロジーズ」(ボブ・スメアトン監督)のDVDがリリースされ、今年は映画「ラストデイズ」(ガス・ヴァン・サント監督)の公開、「カート&コートニー」のDVD発売、音楽誌は相次いで特集を組み、アパレル業界でもナンバーナインやラウンジリザード、プレッジなどの人気ブランドが、フロントマンのカート・コバーンをフィーチャーした服や小物をリリースしたりと、カートの死後から十余年、再びブームが巻き起こっているのだ。

そんななか、世界長者番付などで有名な米経済誌フォーブスが毎年行っている「死後に稼いだ有名人ランキング(Top-Earning Dead Celebrities)」で、同ランキングが始まった2001年以来首位を守り続けていたエルヴィス・プレスリーを退けてトップとなったのだ。

そのランキングを見てみると、

1. カート・コバーン(1994年死去、享年27) 5000万ドル
2. エルヴィス・プレスリー(1977年死去、享年42) 4200万ドル  
3. チャールズ・M・シュルツ(2000年死去、享年77) 3500万ドル
4. ジョン・レノン(1980年死去、享年40) 2400万ドル
5. アルバート・アインシュタイン(1955年死去、享年76) 2000万ドル
6. アンディ・ウォーホール(1987年死去、享年58) 1900万ドル
7. ドクター・スース(セオドア・ガイゼル、1991年死去、享年87) 1000万ドル
7. レイ・チャールズ(2004年死去、享年73) 1000万ドル
9. マリリン・モンロー(1962年死去、享年36) 800万ドル
9. ジョニー・キャッシュ(2003年死去、享年71) 800万ドル
11. J・R・R・トールキン(1973年死去、享年81) 700万ドル
11. ジョージ・ハリスン(2001年死去、享年58) 700万ドル
11. ボブ・マーリー(1981年死去、享年36) 700万ドル

2位のエルヴィス・プレスリー、3位のチャールズ・M・シュルツ(スヌーピーの「ピーナッツ」で有名な米作家)、4位のジョン・レノン、6位のアンディ・ウォーホール、7位のドクター・スース(米絵本作家)、8位のレイ・チャールズ、9位のマリリン・モンロー、10位のジョニー・キャッシュ(米カントリー・ミュージシャン)、11位のJ・R・R・トールキン(「指輪物語」で有名な米作家)、12位のジョージ・ハリスン、13位のボブ・マーリーは、毎年ランキングされているのだ。

こうした常連たちを抑えて、今回1位となったカートだけど、これまでこのランキングに登場したことは一度もなかった。昨年から今年にかけて起こったカートブームが、日本だけでないことがよく分かるのだ。

もう1人、突如としてランキングに登場したのが、5位のアインシュタイン博士。「なぜ今さらアインシュタイン?」と思ったのだけど、ウォルト・ディズニー社が発売している乳幼児向け知育商品である「ベイビー・アインシュタイン」の版権によるものだそうなのだ(版権はイスラエルのエルサレム大学が所有)。

商業音楽の代名詞であるMTVを打破したものの、結局、商業主義の中で苦悩した揚げ句に自殺したカート・コバーン。こうした最も商業的である死後の売り上げを、未亡人のコートニー・ラヴは別として、天国でカート自身がどう感じているのか、とても複雑なのだ。

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