世界11位の富豪（米誌Forbes調べ）としても知られるロシアの石油商、ロマン・アブラモビッチ氏（Roman Abramovich）。ソ連崩壊によって国営企業が解体、民間企業への払い下げが進められる中、石油関係の企業の株を次々と買い占めて巨万の富を築き上げた大富豪なりよ。その総資産は110億ポンド（約2兆4200億円）。世界1位の富豪、ビル・ゲイツ氏にはまだまだ遠く及ばないものの、けた違いの大金持ちの一人なのは間違いないなりね。

日本でも一般的にアブラモビッチ氏の名前が知られるようになったのは、2003年からだったなり。この年、アブラモビッチ氏は名門クラブのチェルシーを英国サッカー史上最高の総額1億4000万ポンド（約263億円。株式と負債の合計）で買収。その後、現在に至るまでに800億円強もの投資を行い、世界中から名だたる選手をかき集め、チェルシーを世界有数の強豪クラブに押し上げたなりよ。

この「金にモノ言わせて」的なやり方には英国のみならず海外からも批判を集めたなりが、結果としてはチェルシーが強くなり、経営が健全化したことに違いはなく、今ではそれなりに評価されている様子。こうした経緯があるため、サッカーファンの間ではその名を知らない人がいないほどの有名人なりね。

そんなアブラモビッチ氏が今、ピンチに立たされているというなり。時事通信によると、ロシア人のモデルで23歳のダリア・スコワさんと「親しい関係（＝不倫）」になり、バカンスに出かけていたことが発覚。これを知って激怒した妻のイリナさんが敏腕弁護士を雇い、離婚と巨額の慰謝料を請求しているというなりよ。その額は財産の半分に当たる55億ポンド（1兆2200億円）。アブラモビッチ氏はこれまで築き上げてきた財産を激減させる、危機的な事態に直面しているなりね。まあ、それでも1兆円を超える資産を保有しているわけなりが……。

離婚の慰謝料の金額が1兆円を超えるのは極めて稀なケース。英大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドは「史上最高額の離婚」と報じていることからも、恐らくは世界一高い金額になる可能性が濃厚なりね。不倫の代償にしては、あまりに高すぎる金額ではあるなりが、果たして妻のイリナさんの請求通りに慰謝料は支払われるのか。結果はいかに。