戦前の日本映画が台湾で大量発掘、一部をネットで公開中。

2006/10/16 23:55 Written by コジマ

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低迷していた邦画だけど、近年はその意義を見出しつつあり、再び活気を取り戻している。海外で高い評価を得ている監督・俳優も多く、日本人としてはうれしい限りなのだ。そんな日本映画黎明期に当たる戦前のフィルムが、台湾で大量に発見されたのだ。

発見されたフィルムは、太平洋戦争前に台湾で上映されたものだそうで、日本未発表の作品も含まれている可能性があるとのこと。2008年に開館予定の台湾歴史博物館が3年前に収集家から買い取ったのだとか。台南芸術大学の井迎瑞教授が中心となって修復を行い、先月末から一部が同博物館の準備サイトで公開されているのだ。

ネットで公開されているフィルムは、家族で写ってインタビューを受けているようすや、「挙って銃後の鍛へ」というスーパーがでかでかと入った戦争臭のするものまで、すごく貴重そう。「日活多摩川作品」「逓信省管理局製作」などのクレジットが入っていたり、とても歴史を感じさせるのだ。ちなみに、公開されているフィルムは同サイトの「成果展示」の項目から「影片修復」、「影片明細表」で一覧を表示し、各作品の右にある「已數化」をクリックすると、Windows Media Playerで見ることができるのだ。

井教授が「(戦前のフィルムが)これだけ保存状態が良く、しかも大量に見つかるのは珍しい」(イザより)と話しているのだけど、もしこれが戦後も親日を貫いてきた台湾でなかったら、処分されていた可能性が高い。60年以上前のフィルムは、世界的に見ても非常に価値のあるもの。ちゃんと残しておいてくれて、しかもネットで閲覧できるなんて、本当に感謝なのだ。

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