アイドルのような容姿に皮肉が利いたありのままの性格、セレブ夫婦の娘、玄人好みの楽曲と、“スキャンダラス”さ満載のUK新人シンガー、リリー・アレン。ドレスにハイテクスニーカーを履いたり、
公式サイトでブログを頻繁に更新したりなど、現代のロンドンっ子を象徴するような存在なのだ。日本で10月4日に発売されたデビュー・アルバム『オーライ・スティル』も好調で、
Narinari.comでもお伝えしたように、先日発表されたBTデジタル・ミュージック・アワードで最優秀ポップ・アーティスト賞を受賞した彼女が、
BARKSでアルバム収録曲の「スマイル」と「LDN」について解説しているのだ。リリーらしくあけっぴろげに語っている。
実は『オーライ・スティル』をまだ手に入れてないのだけど、レコード屋さんで試聴した感じでは、全体的に彼女の類い希なポップセンスを感じさせる素晴らしい作りになっている。特にUKシングルチャートで1位を獲得した「スマイル」(1曲目)は、音楽誌「ロッキング・オン」にバンドルされていたコンピCDに収録されていたので、かなりのヘビー・ローテーションで聴いているのだ。
解説インタビューでは、その「スマイル」について「これが私の限界って噂があって……ムカつく」と、のっけから彼女らしい歯に衣着せぬ物言いをし、「内容は元カレの話なの」「最初に私がちょっと怒ってたら、彼もつられてキレちゃったの。それが面白くて私はスマイル(笑)。彼は泣いているのにね」と赤裸々に語っているのだ。
リリー・アレンはロンドン出身の21歳。父は英国では知らぬ人がいないほど有名なコメディアン、キース・アレンで、母も有名映画プロデューサーのアリソン・オーウェン。本当の意味でのセレブリティ夫婦の間に生まれたのだ。15歳で学校を中退したことからも分かるようにかなり奔放な性格で、話す内容も今回のインタビューのような調子。そういった面からも英国で視線を集めているのだ。
ただし、父のコレクションから聴きあさったというスカやパンク、レゲエを織り交ぜ、一癖も二癖もあるポップ・ソング仕上げた音楽的センスは、玄人も絶賛するほど。また、詞のセンスも評価が高く、歯切れ良く包み隠さないところはザ・ストリーツやカイザー・チーフス、はたまたデビュー当時のビヨンセなどが引き合いに出される。
「スマイル」は、「あなたの泣き顔はあたしの笑顔」という切ない詞の通り、彼女自身も「この曲はおかしくて悲しい歌よ」と解説。音についても「オーガニックだけど今風のビートにしたかったの。おかげでタフで面白い曲になったわ」としている。「でも、曲も“スマイル”って言葉もスイートすぎるから、思ったの。“もっとキモい感じにしなきゃ”ってね(笑)」。こうした“素直じゃない”性格は、今のUK音楽シーンの感覚にぴったりなのかもしれない。スイートな曲に辛辣な歌詞を得意とするジョニー・ボーイにも通じるのだ。
アルバムのもう1つの注目曲「LDS」も解説。同曲と「スマイル」のプロモーション・ビデオも
BARKSで試聴できるし、
公式サイトではアルバムに収録されている7曲が試聴できるので、興味ある人はぜひ。スイートな家庭に育ち、スイートな容姿、スイートな曲を書くのに、姉御肌な性格と詞でリスナーを魅了するリリー・アレン。今後も大注目なのだ。