JR東日本、通勤ラッシュの力による発電実験を実施。

2006/10/07 20:25 Written by コジマ

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通勤ラッシュのパワーはものすごい。ぼくは実家に住んでいた頃は始発駅だったし、会社勤めしていたときも出勤時間が遅かったためラッシュをほとんど経験せずに済んだのだけど、利用者数の多い路線沿いに住んでいる友人宅へ行ったりすると、ラッシュの猛烈な勢いに圧倒され、「こんなつらいことを毎日やってるなんてすごい!」と感心してしまうのだ。ある意味、仕事よりも大きな労力かも。

そんな通勤ラッシュの膨大なパワーを電力に変えるという実験を、JR東日本が行うそうなのだ。ラッシュの力を電力に変えるのは、圧電素子という振動から電力を抽出する装置を床に埋め込んだ「発電床」という同社が慶応大学と共同で開発したシステム。この発電床は人が歩くところならどこでも利用できるそうだけど、JR東日本は通行者が集中する自動改札に設置する。

実験は10月16日〜12月中旬の2カ月間、東京駅丸の内北口にある自動改札の通路6カ所に設置し、発電効率などを検討するのだそう。サンケイスポーツによると、この装置の発電量は1人が改札を通過するごとに約70〜100ミリワットとかなり少なく、1日に約70万人が利用するという東京駅のすべての改札に設置しても、たった70キロワットしか発電できないそうなのだ。

今回の実験では自動改札機をこの発電量だけで動かすことを目標とし、将来的には案内表示や照明など、駅の電力の一部をまかなえるようにしたいのだそう。現段階では無理だけど、実験を通してさらに発電効率を向上するようなシステムを開発できれば、それも不可能ではないとしている。せっかくの膨大なエネルギー、これを使わない手はないのだ。それにしても、新宿や池袋、渋谷の各駅のほうが発電量が多そうだけど、なんで東京駅を選んだのだろう。

この実験では、発電量を表示するパネルを改札脇に設けるのだそう。発電床の発電量は、強く踏めば多くなる。つまり、体重が重い人ほど発電量が多くなるのだ。「表示された発電量から体重を逆算される!」といった苦情が寄せられなければいいけど……。

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