英出版社が少女向けマナー本、「正しい一夜限りの関係」などを紹介。

2006/10/05 23:03 Written by コジマ

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マナーにうるさい英国の上流階級。歴史あるこの国の社交界にデビューするには、それなりの知識を身に付けいないといくらお金持ちでも爪弾きにされてしまうのだ。そんな人たちを支えてきたのが、英Debrett's社のマナーブックなのだ。同社は1769年から「貴族名鑑(Debrett's Peerage & Baronetage)」を発行している歴史ある出版社(ライバルは「Whitaker's Almanack」)で、近年は「エチケットと現代マナーの新ガイドブック(New Guide to Etiquette & Modern Manners)」や「紳士録(Debrett's People of Today)」、結婚や季節に関するマナー本などを刊行しているのだ。

そんな権威ある出版社が、少女向けのマナー本「少女のためのエチケット(Debrett's Etiquette for Girls)」を10月2日に発行した。「Girls」といっても対象は16〜30歳なので、「少女」ではなくて「若い女性」としたほうが適当かもしれない。この本が、権威ある出版社のものとは思えないほど過激なようなのだ。

ロイターに掲載されている収録項目を見てみると、
・トラブルにならない正しいオフィスラブの方法
・病気にならない正しい一夜限りの関係について
・公共の場での正しい喫煙について
・有名人に会ったときの正しい対応方法
・正しい携帯電話の使用法
・音楽フェスティバルに必要なもの
などとなっている。

内容は、「暗い路地でのわいせつ行為やタクシーでのはしたない行為は避けましょう」「“必需品”について話し合い、妊娠や性病を予防しましょう」「ワインボトル、植木鉢、古くなったプレートを使わずに、適切な灰皿を使いましょう。そして、煙が鼻の穴から出さないようにしましょう」「たばこを口にくわえるのもエレガントではありません」「有名人の世界には病的ファンと名誉欲に取り憑かれた鬼婆であふれかえっているので、気を付けてください」「バスに乗って大声で携帯電話で話すのはやめましょう」「音楽フェスティバルには耳栓と枕が必要です」などなど。うーん、たしかに権威ある出版社のものにしては過激かも。

編集者のジョー・エイチソンさんは「現代を生き抜くために、Debrett'sが紹介してきた伝統的マナーに新しい内容を入れる必要があった。こうした情報を提供することによって、少女たちに自信を与えたい」とし、「優雅さや落ち着き、気品などDebrett'sの基本的価値観は変わらない。こうした価値観は、女王と食事するときにも夫をだますときにも必要だ」と語っている。つまり、価値観を保持しつつ、現代の状況を鑑みて新たな事項を盛り込んだということなのだ。

日本でも若者のマナーの悪さが叫ばれて久しい。親や周りの大人がきちんと教えたり叱ったりしなくなった今、こうした本が必要になっているのかもしれない。

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