巨人の滝鼻卓雄オーナー「東京ドーム屋根外し天然芝に」。

2006/09/30 15:55 Written by コ○助

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メジャーリーグのツインズが本拠を置くメトロドームをモデルに、日本初のドーム球場として1988年に開業した東京ドーム。当初からイベントやコンサートでも利用する「多目的ドーム」を想定していたため、過酷な使用環境にも耐えられること、そして密閉された屋内では天然芝が育ちづらいこと、芝生の管理コストが大幅に削減できることなどの理由から、グラウンドには人工芝が敷かれた。当時は球場を人工芝化する流れが日本でもメジャーでも主流だったこともあり、東京ドームに人工芝を採用すること自体に、それほど異論が出ることもなかった。

しかし、時は流れ、現在は人工芝には厳しい風向きに。実際にプレーをする選手からは「滑りやすい」「球足が速くて受け身の守備になりやすい」「足腰に負担がかかりやすい」と不満の声が漏れることが多くなっている。有名なのはヤンキースの松井秀喜外野手が、巨人時代に天然芝への張り替えを球団に直訴し続けていたというエピソード。人工芝問題が松井秀選手がメジャーを目指すきっかけのひとつになったとも言われている。

実際のところ、人工芝が諸悪の根源……というわけではないが、近年の巨人は故障者が続出。プロ野球12球団のうち、阪神(甲子園)、広島(広島市民球場)、オリックス(神戸スカイマークスタジアム)の3球団以外はすべて人工芝の球場を本拠地にしているが、人工芝9球団の中でも特に巨人の主力に故障者が目立っている状況だ。「選手の年齢層が高いから」「選手に甘えがあるから」などを指摘する声もあるが、人工芝問題も一因になっていることは否めない。

こうした状況に、巨人の滝鼻卓雄オーナーも考えるところがあるようで、スポーツ報知のインタビューに「滝鼻流」の球場改革案を披露している。

「芝がかたくなっているのは、開幕前に数人の選手から話があった。故障と芝生の科学的な因果関係はわからないが、ひとつの要因であることは間違いない」
「東京ドームに対しては屋根を外せ、天然芝にしろ、と言いたいぐらいだね」
「監督と会った時に『試合前に走らせたいが外野に土がない』という要望があったので、今は近所の公園で走っている」
「ジャイアンツのゲームの前日にイベントやって跳んだりはねたりしたら、芝がおかしくなる」

東京ドームの場合、単に人工芝だからというだけでなく、試合の合間に行われている各種イベントによって人工芝が痛めつけられていることも、選手への負担に繋がっているよう。滝鼻オーナーはこの問題を解決するために、ドーム球場から屋根を取り払い、天然芝にしたいとの希望を語っている。

365日、休みなく稼働していると言われる東京ドームなので、屋根を取り払って屋外型の球場に「変身」するのはそう簡単な話ではない。しかし、東京ドームの主たる用途が野球場であり、そこに本拠を置く巨人に故障者が増えている現状を見れば、何らかの改革に着手しなければならないのは明らか。巨人がこの問題をどう捉え、東京ドームに反映させていくのか。注目しておきたいところだ。

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