10日間30万円から、短期間・格安の世界一周旅行が人気。

2006/09/24 03:02 Written by コジマ

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世界一周と言えば、まず思い浮かぶのは豪華客船『飛鳥II』による世界一周クルーズ。日本を出発して、東南アジアから中東、スエズ運河を通過して欧州から米国・中南米を航行する行程で、誰もが一度は憧れる旅なのだ。しかし、『飛鳥II』での旅は90日以上かかるうえ、値段も360万〜1800万。庶民にとって時間的にも金額的にも難しいものなのだ。ところが最近、世界一周旅行がにわかに人気が出てきたという。なんでも、10日間の日程で30万円台で行けるそうなのだ。

「世界一周」とは、大西洋と太平洋を横断する旅行という定義がされているそうだけど、今回紹介しているものは、10日間というからには海路では到底むり。格安な部分も含めて、空路だからこそ可能になった旅なのだ。この世界一周旅行で重要なのが、「世界一周航空券」というもの。通称RTWと呼ばれるこの航空券、世界の航空会社数社が協力して設定したもので、独ルフトハンザ航空や米ユナイテッド航空、全日空など6社が提携した「スターアライアンス」、米アメリカン航空や英ブリティッシュ航空などが提携した「ワンワールド」などが有名だそう。

その魅力は、なんといっても金額の安さ。エコノミークラスなら30万円前後からで、ビジネスクラスだと約60万円から、ファーストクラスでも90万円程度と、グレードアップするごとにさらに格安になっているのだ。最長1年間有効で、季節による価格変動もないという。

産経新聞では、同航空券を使用して世界一周を実現した旅行者の感想などを掲載している。「欧州経路でハワイに行ったのが新鮮だった」というコメントは、海外旅行上級者ならではのコメントなのだ。「ローマの休日」や「黄色いリボン」などの名画の舞台を訪ねるという1人120万円のツアーも、キャンセル待ちの人気だそう。50〜70歳代の参加者が多いというから、この辺も団塊世代による市場の活性化なのかもしれない。

こうした人気を受けて、世界一周旅行を扱う旅行代理店が増えているのだとか。同紙では、世界一周旅行を専門に扱う窓口を名古屋市に開設したエイチ・アイ・エスや、世界一周旅行しか取り扱わない世界一周堂という旅行代理店を紹介しているのだ。世界一周堂では、前述の世界一周航空券「スターアライアンス」などを扱っているという。

こうした航空券を使って安くて手軽になった世界一周だけど、このチケットに含まれるのはもちろん航空運賃のみ。宿泊代や食事代は別にかかるのだ。世界一周堂の角田直樹社は「目安は航空運賃以外に1日1万〜1万5000円」としているので、10日間の旅で最低でも40万〜45万円かかることになる。これがファーストクラスでも100万円前後、豪華客船の10分の1なのだ。

世界一周については、「ゆっくりとさまざまな地域を見なければ成り立たない」とする意見もある。それにはぼくも賛同できるけど、「八十日間」ならぬ「十日間世界一周」、時間にもお金にもシビアな現代では、実現できない理想より手軽に“気分”が味わえるものに人気が集まっているようなのだ。お金も時間もないぼくのような人間は、Google Earthでバーチャル世界一周を楽しむしかないかな。

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