絆創膏、ズボン、スパゲティ……呼び名で分かる地域性と年代。

2006/09/21 18:30 Written by コジマ

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言葉の変遷は時代の常だけど、今の若者の言葉を理解できない大人も多いのではないだろうか。ぼくも今年の年明けの際、横にいた高校生に「あれ、もう年明けちゃった系ですか?」と聞かれたときにはびっくりしたのだ。ほかにどんな系があるのだろうか。「まだ年明けてない系」だろうか。その系の下にはどんな細分化された事象があるのだろうか―いやいや、若者と話すときに深く考えたら負けなのだ。

それだけでなく、場所が変わると自分の地域で常識だった言葉が通用しなくなるというのもよくあること。こうした言葉の変遷や差によって出身地や年代を推測できるとして、毎日新聞が2日にわたって特集したのだ。

まずは「地域編」。東京女子大の篠崎晃一教授(社会言語学)の調査を参考に、絆創膏を何て呼ぶかによって出身地を探っているのだ。もちろん、一般名称は絆創膏だけど、絆創膏を「絆創膏」と呼ぶ人はぼくの周りでは少なく、ジョンソン・エンド・ジョンソンの登録商標である「バンドエイド」が一般的。だけど、これは関東、近畿、四国の一部だけで、全国で通じるものではないというから驚く。北海道では20年前道内シェアNo.1だったという「サビオ」(現在は製造中止)と呼ばれており、東北や四国、中国などでは「カットバン」(祐徳薬品工業)、九州では「リバテープ」(リバテープ製薬)が圧倒的に多い。うーん、絆創膏1つでここまで違うとは。

また、日本を東西に分けると呼び方が違うものも紹介。赤ちゃんの夜泣き薬を東では「宇津救命丸」、西では「樋屋奇応丸(ひやきおうがん)」と呼ぶのだそう。関西で赤ちゃんが泣いているときに「『宇津救命丸』飲ませれば?」と言っても通じないのかなあ。このほか、マクドナルドを「マック」と「マクド」、「画びょう」と「押しピン」、「漬け物」と「お新香」、「汁粉」と「ぜんざい」、「今川焼」と「回転焼」、局地的なものとして、中部・近畿地方でコーヒーに入れるミルクを「フレッシュ」、近畿・九州地方で鶏肉を「かしわ」、鹿児島で黒板消しを「ラーフル」などを紹介している。調べるともっとありそうなのだ。

一方、「年代編」では、ズボンのことを近年は「パンツ」と呼んでいることを挙げ、「『今日はパンツをはいてくれば良かった』と聞いてギョッとするのは、1970年以前の生まれでは?」としている。ぼくは75年生まれだけど、パンツというのはちょっと抵抗があるのだ。下着のパンツとどうやって区別するのだろうか。また、運動靴を「ズック」と呼ぶか「スニーカー」と呼ぶか。でも、「ズック」という語感がかわいいので、わざと使ってる若い人もたまに見かけるのだ。このほか、「チョッキ」と「ベスト」、「バンド」と「ベルト」、「チャック」と「ファスナー」、「ジャンパー」と「ブルゾン」、「トレーナー」と「スウェット」などを挙げている。

食べ物では、スパゲティを最近では「パスタ」と呼ぶことが多い。これをフィットチーネやラビオリなどのスパゲティ以外の小麦製品が浸透してきたため、総称であるパスタが市民権を得ていると分析しているのだ。この辺は雑誌などの影響もあるのかも。

呼び方によって分かる出身地や年代、周りの人に試してみても面白いかもしれない。でも、いい年して若者言葉を使う人は逆に敬遠されるので、一瞬笑い者になっても自分の年代の言葉を貫いたほうがよさそうなのだ。

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