ネット接続料値上げ? ブロードバンド定額制限界に適正料金検討。

2006/09/14 23:13 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


ブロードバンドの普及によって数年前とは比べられないほど快適になったインターネット接続状況。最近はGyaO第2日本テレビなど、高画質の動画を配信する事業者も増えているのだ。しかし、こうした通信量の増加から、インターネット接続事業者は設備増強を迫られ、現在の定額制料金では経営困難に陥るところも少なくないのだとか。そのため接続料金の値上げや追加料金が発生する可能性が高まっており、総務省はこうした料金の適正を探る調査を開始するという。

現在の接続料は、回線速度などにもよるけど、プロバイダ料金と合わせてだいたい2500〜7000円くらい。大容量の通信サービスが低価格になったことによって、ネット環境は数年前と比べて格段に良くなったのだ。光ファイバー通信の利用者は600万件に達しているのだとか。それに伴って、先述の動画サービスだけでなく音楽配信サービスなどの大容量通信サービスが盛んになっている。ウィニーなんて、ブロードバンドが普及しなければここまで問題にならなかっただろうし。

こうした大容量通信の普及によって、より高速でより低価格へと進んできた通信業界が悲鳴を上げている。原因は通信量の急増で、接続事業社が回線容量をいくら増やしても追いつかなくなっているそうなのだ。そして、もちろん設備増強すればそれだけ費用がかかり、急増するコストに対して現在徴収している定額料金では賄いきれなくなってしまっているという。

こうしたことから、事業者は定額料金の値上げや、例えば大容量通信時に追加料金を発生させるなどの対策を検討しているのだけれど、こうした部分で資金的体力のある大手は経営困難に陥るほど困窮していない。悲鳴を上げているのは中小の事業者なのだ。中小はすぐにでも値上げや追加料金の徴収を行いたいようだけど、それだと大手との料金に差が出てますます加入者が減ってしまう。ここで総務省が「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」を行い、追加料金の妥当性について議論が必要だとし、10月中に中小や大手の接続事業者だけでなく、コンテンツサービス事業者なども交えて検討する「適正なコスト負担のあり方に関する検討会」を設置することになったのだ。

こうした動きに対して、利用者からは不満の声が漏れている。集中しているのが、通信速度の標榜値と実測値の違い。事業者が「12Mbpsですよ!」と宣伝しているのに、実際に加入して測定すると1Mbpsも出ていないということは、もはや暗黙の了解となっている。ぼくも自宅に光ファイバー通信を導入しているのだけれど、100Mbpsの標榜に対してgooスピードテストで計測した実測値はたった18.98Mbps。ADSLなどと比べると格段に早いけど、これでは「看板に偽りあり」どころではないのだ。こういう状態なのに、回線量の増加を理由に値上げしていることに不満を抱いている人が多いみたい。

とはいえ、値上げや追加料金発生は避けられそうもない。総務省の検討会では、中小事業者が破綻することなく、消費者にも大きな負担をかけないような本当の適正料金を弾き出してもらいたいのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.