製品でたどる自分史、「NipponStyle」が年表形式のデータベース公開。

2006/09/13 22:49 Written by コジマ

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音楽を聴くとその曲がヒットした当時を思い出すことはよくあるのだけれど、それをプロダクト(製品)で振り返るというサイトが公開されたのだ。昭和から現代までの日本製品の情報を検索できるサイト「NipponStyle」が公開した「プロダクトでたどる自分史〜あなたの暮らしを支えた道具と出来事・世相〜」では、誕生年を選択して見たい年を選ぶと、その年に発売された製品だけでなく、自分が何歳だったかや出来事、流行歌、流行語なども表示される。昭和から休むことなく突き進んできた日本の工業界、ここいらでちょっと振り返ってみてもよいかもしれない。

NipponStyleは、昨年12月にオープンしたばかりのデジタル図典サイト。中核は戦後から現代までに日本で作られた製品のデータベースで、詳細情報や当時の価格(当時の物価も表示可能)、開発秘話、当時の広告などが閲覧できるのだ。9月13日現在で、1030点のデータが収載されている。

こうした豊富なデータを年表形式に再構築したのが、今回公開された「プロダクトでたどる自分史」。誕生年を選択してから見たい年を選ぶと、その年に発売された製品のサムネイルが表示され、それをクリックするとデータベースに収載された情報が閲覧できるのだ。FLASH版とHTML版があり、後者では製品だけでなくその年の話題や流行歌、流行語、話題となった出版物、映画、ラジオ・テレビ番組、CMなども表示できる。

試しにぼくが生まれた1975年を見てみると、この年に発売された製品はパイオニアの「コンポーネントカーステレオ」、エポックの「テレビテニス」、ソニーの「家庭用ベータ方式ビデオテープレコーダー」と「ベータビデオカセット」、電電公社(現NTT)の「プッシュ式100円公衆電話機」、ビクターのラジカセ「RC-707」などが発売されたようなのだ。前後の年と比べて、プロダクト的には不作だったようなのだ。今残っているものがほとんどないし。

出来事としては、沖縄海洋博開催、三公社五現業の労組一斉ストライキ、暴走族、中高生の非行が戦後最高を記録など、まだまだ社会的整備が確立していなかったことをうかがわせるものとなっている。話題では広島カープがセ・リーグ初優勝で沸いた「赤ヘルブーム」、健康食品の「紅茶キノコブーム」、「100円ライター」、「第2次ベビーブーム」が、流行歌は「およげ!たいやきくん」や「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」など、それに連動して流行語は「あんたあの娘のなんなのさ」が挙げられている。

生まれ年となると当然記憶がないわけで、懐かしいというよりも「へー、そうだったんだ」なんて発見や感心を抱く場合が多い。これが小学校に入学した1982年あたりになると、がぜん懐かしさが沸いてくる。「ヘアコロンシャンプー」なんてあったなあ。

過去を振り返ることを許されないほど忙しい現代人、こうした製品を通じてノスタルジックに浸るのもたまにはよいかも。

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