マンガと音楽が織りなす新たな世界、「シネステージア」。

2006/08/16 20:10 Written by コジマ

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パソコンや携帯で配信されるマンガが浸透してきているなか、このウェブコミックに音楽を融合させた新たな試みが行われているのだ。shinzou.jpが配信している「シネステージア」は、ウェブ上でマンガを読みながら物語の中でプレイされている曲や主人公たちが配信するPodcastを、アップルコンピュータのiTunesを通して試聴したり購入したりできる。マンガと音楽の融合という、それぞれに魅力があるコンテンツを融合させることによって、新たな世界が体験できるのだ。

「シネステージア」とは、sinzou.jpによると、「ある刺激を受けた時、本来の感覚に他の感覚が伴って生じる現象。例えば、音や香りに形が伴ったり、印刷された言葉や数字が色となって感じられたりする特殊な感覚」だそう。うーん、これだけだとよく分からないけれど、本編でそのことをしっかり表現しているのでご心配なく。

物語は、その“シネステージア”を持つ主人公のシンゾウと姉のタマコ、そして“空気を読めない(読まない)DJ”カリタの3人によって生み出されるデジタル音楽をテーマにしている。マンガを読んでみると、ウェブならではの背景が動くなどのギミックがあるのだけれど、その背景が動く場所にはiTunesへのリンクがあり、その場面で演奏されている音楽を聴くことができるのだ。そして、“シネステージア”の感覚を頼りに音作りをするタマコとシンゾウの姉弟が物語のなかで配信しているPodcastも見ることができる。ちなみに第1話では、姉弟とカリタはまだ出会っていないのだ。

この作品を手がけているのが、Shinzou Soundと呼ばれるアーティスト集団。メンバーを見てみると、リーダーは日本を拠点に活動する英国人音楽プロデューサーのニック・ウッド。キリン「LOVE SPORTS」キャンペーンのCM曲「パッション」(ビクターエンタテインメントのサイトで試聴可能)を手がけたことで有名なのだ。そして、デュラン・デュランのボーカル、サイモン・ル・ボン! ニック・ウッドとサイモン・ル・ボンは旧友で、日本でレーベル「シン・レコード」を共同設立している。さらに、プライマル・スクリームのプロデュースなどを手がけたダンス・ミュージック界の大物、アレックス・パターソンも参加。うーん、錚々たる面々なのだ。日本からも、布袋寅泰やPUFFYのリミックスを手がけた“キャプテン・ファンク”ことタツヤ・オオエ、フジロックやサマソニにも参加したカリスマDJのSugiurumnなど、強力なメンバーが参加している。これに作画担当の漫画家、杉原エンカ、ウェブデザイナーの大輪英樹が加わり、コンテンツ制作から配信まで、サイトの運営をすべてメンバーのみで行っているそうなのだ。

マンガは2週間に1話ずつ、12月までに計10話が公開される。現在は第1話のみが配信されており、次回はこんな強力な面々が放つコンテンツが面白くないわけがない! というわけで、8月24日に公開される第2話が待ち遠しいのだ。

iTunesを介している以上、仕方のないことなのかもしれないけど、マンガを読み進めていくうちに自然に音楽が流れるようなものだったらもっと良かったのになあ。

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