昔は「かわいいお馬さんを食べるなんて！」と頑なに食べるのを拒んでいたコ○助も、大人になってからはすっかり馬肉愛好家になってしまったなりが、馬肉、ほんとに美味しいなりよね。牛肉に比べると脂身は少ないものの、その分、肉の味をしっかりと味わうことができる馬肉は、刺身にして良し、鍋にして良し。日本では郷土料理的な扱いのことが多く、気軽にスーパーで購入したり、どこの飲食店でも食べられるような食材ではないため、コ○助は馬肉を見つけたら小躍りしながら必ず手を伸ばすなりね（笑）。

でも、そんな馬肉界隈に変化の足音が聞こえてきているようなり。BSE騒動の余波と世の中のヘルシー志向を受けて大きなムーブメントになった羊肉の「次」を狙う外食産業が、今、馬肉に注目し始めているという記事が、先日の日経流通新聞に出ていたなりよ。流通量の問題から、どうしても羊肉に比べると高価になりがちな馬肉が同じようなブームを巻き起こすのは難しいかもしれないなりが、ジワジワと馬肉をメニューに加えるお店や、一風変わった馬肉料理をウリにするお店が増えてきているというなりね。

この動きは昨年あたりから出始めているようで、例えば昨年12月にオープンした「馬春楼」（東京・西麻布）では、これまで刺身や鍋が主流だった馬肉を「溶岩焼き」（1800円〜）のスタイルで出すのがヒット。また、女性客にはたて髪の下にあるコラーゲンたっぷりの部位「コーネ」（1000円）目当てで来店する人も多いのだとか。メニューを見てみると、「桜ヒレステーキ」や「桜肉の小丼ぶり」など、食欲をそそる料理が並んでいるなりよ。

馬肉専門店として昨年7月にオープンした「馬や武蔵」（東京・尾山台）では、馬肉を使った創作料理がウリ。公式ページのメニューを覗いてみると、「馬チャンジャ豆腐」（480円）、「馬すじ煮込み」（600円）、「馬角煮の里芋包み」（500円）など、確かにほかでは食べたことがないような、珍しい馬肉料理が並んでいるなりね。ほかにも小さくカットした馬肉を串に刺して焼いた「焼き鳥」ならぬ「焼き馬（？）」メニューも充実。刺身だけでも12種類も用意されているなりよ。馬肉愛好家を自負するためには、一度は行かなければいけないお店のような気がしてきたなり……。

ほかにも、昨年11月にオープンした「仕事馬」（東京・水道橋）では「馬アキレス腱のグラタン」（700円）や「仕事馬風パエリア（馬肉パエリア）」（1800円）、「馬アキレス腱と大山地鶏のグリーンカレー」（700円）など、従来の馬肉料理とはかなりイメージの異なる、洋風テイストの馬肉料理を楽しむことができるなりね。

もう少し前にオープンしたお店では、こちらも馬肉専門店の「仲巳屋」（東京・銀座）が人気。このお店のウリは「馬かつ（上ヒレ）」（1900円）で、外側はカリッと、中は半生という、馬肉の味を最大限に引き出した一品に仕上がっているようなりよ。ほかにもメニューを見ると「馬ちくわ（大動脈）塩胡椒炒め」（1050円）、「つくね風ハンバーグ」（1400円）、「バラヒモ肉のポトフ」（1300円）、「特選ステーキ（3枚バラ）」（6800円）など興味をそそる料理がズラリ。「仕事馬」同様、洋風の料理が充実しているなりね。

馬肉はヨーロッパでは非常にポピュラーな食材。フランス・パリには馬肉の専門店がいくつもあるほどで、特に女性を中心に馬肉を買い求める人が多いというなり。馬肉にはほかの食肉にはない特性があるなりが、せっかくなので簡単にまとめておくなりね。

［馬肉の特性（日経流通新聞、馬肉専門店 若丸より］
・牛肉に比べ、脂質やコレステロールが少ない。
・脂肪は不飽和脂肪酸で、体内に蓄積されにくい。
・カロリーは牛肉の半分程度。
・良質なたんぱく質を多く含み、ビタミンAや鉄分も豊富。
・グリコーゲンを牛肉の3倍含んでいるため、摂取後すぐにエネルギーを発揮しやすい。
・生食だとペプチドを効率よく摂取できるため、血管拡張や新陳代謝に効果的。

こうして列挙してみると、馬肉は身体に良い要素ばかり。食の流行に敏感な女性が飛びつき、東京以外にも新しいタイプの馬肉専門店が広がっていけば、ブームになる可能性は十分ありそうなりよ。

羊肉もそうなりが、これまであまり注目されなかった食肉の関心が高まるのは素晴らしいこと。でも、一過性のブームに終わらせるのではなく、せっかく広がった食のバリエーションを再び狭めないことが大切なりよね。「馬肉が良さそうだから、もう羊肉は終わり」という事態にならないことを祈りつつ、馬肉の広がりにも期待したいものなり。