「氷が役立つ」「見えてる煙は10%」、「禁煙トリビア」入賞作発表。

2006/08/12 06:09 Written by コジマ

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近ごろは禁煙の風潮が強まっており、喫煙者にとっては生きづらい世の中になっている。いつかは禁煙するだろうなあと思いながら、ぼくはヘソ曲がりなのでこういう時勢に乗って禁煙する気になれず、「1000円に値上げされても吸い続ける」なんて吹いて回ってるのだ。そんななか、大学禁煙化プロジェクトがアジア医学生連絡協議会(AMSA)と共催で、禁煙に関する雑学知識を全国の大学生らに募集し、その入賞作品を発表したのだ。

この「禁煙トリビア」は同プロジェクトの事務局である奈良女子大学保健管理センターやAMSA-JAPANの公式サイトなどで募集し、600通を超える応募があったのだとか。選考は、同プロジェクトとAMSA-JAPANの合同選考委員会と審査委員が行い、7月23〜30日に香港で行われたAMSA国際会議で発表された。その結果、「手軽な氷が禁煙に役立つ」(匿名希望・広島大学)と「タバコの煙は見えているようで、ほとんど見えていない」(西元淳司さん・広島国際大学)の2作品が最優秀賞に選ばれたのだ。内容は、

・「手軽な氷が禁煙に役立つ」
世の中には多くの禁煙方法が、最も手軽にかつ確実にできるのはなんだろうかと考えた。タバコを吸うと、脳内で情報の伝達を行っている情報伝達物質の1つ、アセチルコリンが働きにくくなり、その代わりをニコチンが行うことで、頭がシャッキリする。しかし、禁煙をするとニコチンがなくなるため、ニコチンを求めるようになる。そこで氷を食べることによって、、脳内を刺激し、アセチルコリンを分泌させて、頭を再びシャッキリさせれば、タバコを吸いたい気持ちがクールダウンできる。

・「タバコの煙は見えているようで、ほとんど見えていない」
タバコの煙で見えているのは10%、見えないところが90%といわれているが、口から吹き出されるタバコの煙は瞬時に数メートルに広がることが、煙に光を当てるような映像でも明らかである。受動喫煙は低濃度であっても有害とのデータもあり、見えないからといって安心できない。大学構内が禁煙にならないと受動喫煙の被害は防げない。

というもの。禁煙している友達とファミレスに行くと、氷をバリバリ食べているのだけれど、こんな科学的な効果があったとは知らなかったのだ。

優秀作品には、
・「禁煙すれば、夫婦で素敵な世界一周が楽しめる」(垂髪祐樹さん・奈良県立医科大学)
・「吸い殻入れを設置しない方が吸い殻を散乱しない」(坂本敏夫さん・金沢大学理学部)
・「DEATHという銘柄のタバコがある」(山口彩加さん。奈良女子大学生活環境学部)
・「ニコチンの主な工業用の用途は、農業用殺虫剤である」(匿名希望・奈良女子大学理学部)
・「タバコを1日に20本すう人は、1日に1時間ずつ寿命を短縮している」(池田隼人さん・広島大学工学部)
の5作品が選ばれた。最後の2つは、喫煙者にとってかなり恐ろしいトリビアなのだ。

また入選作品には、「強い香りは禁煙に役立つ」、「タバコの死亡は交通事故の死亡の10倍以上(年間)」、「ニコチンの方が青酸カリよりも少量で死にいたる」、「タバコの有害ガス成分は空気清浄機では除去できない」、「タバコの本数をだんだん減らすのは、すっぱり禁煙するより辛い」などが選ばれている(詳細は禁煙トリビアを参照)。

講評に当たった産業医科大学の大和浩教授は「緻密な説明と分かりやすいトリビアが評価された。『タバコの煙は見えているようで、ほとんど見えていない』は、受動喫煙が広範囲に有害性を持つことを示す優れたトリビアであった」とし、同じく講評に当たった奈良女子大学の高橋裕子教授は「入選作品も最優秀作品、優秀作品に劣らず、いずれも力作である。数の関係で選に漏れた多数の優秀なトリビアがあったこと」としている。

こうした「禁煙トリビア」は、禁煙のきっかけになる非常に重要なもの。現在の喫煙を悪とする世情にぴったりの企画だったのだ。それにしても、もともと公共の場での喫煙は良いものとは言えなかったので“禁煙区域”が増えることは歓迎すべきだけど、つい最近まで一緒に喫煙所でたばこを吸っていた人が、禁煙した途端に「まだ吸ってるのー?」とか「体に悪いからやめたほうがいいよお」なんて態度が豹変することに閉口している今日この頃なのだ。

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