アメリカの店頭販売業界では毎年30億ドルもの商品紛失が発生し、その80%近くがお客や従業員による万引き等の窃盗が原因なんだとか。米大手百貨店のKマートの経営者にとっても、万引き行為は常に頭を悩まされる問題に違いありません。
先日もバーモント州のとある町の支店で、とある女性が品物の支払いをせずに店を出ようとしていたところを警備員が発見しました。急いで3人のガードマンが追いかけて彼女を捕まえようとしましたが、女性は道路のガードレールを飛び越え近くの森に逃げ込んだのです。
アメリカは土地にもよりますが、いまだに自然がそこらじゅうに広がっており、大きなショッピング・モールの隣や住宅街の近くにも、まだまだ人の手がつけられていないような森林が残っていることが多いのです。その分、迷い込むと危ないのですが……。なにはともあれ万引き犯としては木々の茂る視界の悪い場所に隠れれば、うまく逃げおおせると考えたのでしょう。
しかしパトロール中の警察官が通報を受け、従業員らの追跡に加わった時、彼らは犯人の意外な姿を見付けました。なんと女性は森の中の沼地に足を取られ、まったく身動きが取れなくなっていたのです。パニックに陥ったこの犯人は、警察官らにののしりの言葉を吐きながらも、泥の中から助けてくれるよう懇願したのだとか……。
なんとも情けない(笑)。
何はともあれ沼のお陰で犯人を捕まえることが出来た警察は、犯人の運の悪さにほくそえんだことでしょう。犯人は後日万引きの軽犯罪、森への違法侵入、そして警察官への抵抗の罪で裁判にかけられることになるそうです。