ニューヨークでの運転が快適に、駐車場の空き情報を有料交換。

2006/07/10 12:13 Written by コジマ

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日本でも、繁華街へ車で訪れた際に困るのが駐車場探し。便利な場所にある駐車場は早くに満車になり、空くアテのない駐車場に何時間も並んだり、しばらく街をさまよったりすることもしばしばなのだ。これはニューヨークでも同じ状況のようで、多くの運転者が駐車スペースの確保に四苦八苦しているのだとか。そんなニューヨーカーに朗報とも言うべき新事業が登場した。駐車場の空き情報を有料で交換するというもので、今夏〜秋に開始する予定だとか。

米スポットスカウト社が開始するこのサービスは、駐車場の利用者や業者が駐車スペースの空く時間を同社の専用サイトに公開し、その情報を見てそのスペースに駐車した別の利用者が買い取るというもの。例えば、利用者が駐車場から出て行く際に「午後1時20分に○○駐車場から出て行く。希望料金10ドル」といった情報をサイトに携帯電話から送り、条件が合った別の利用者が駐車料金とは別に10ドルの情報料を払うのだ。情報の販売額に対して同社は一切関知せず、利用者が自由に設定することができる。会員制で登録は無料、情報買い取り額の15%がスポットスカウト社の収入となる。

同社は、都市部を走る車のうち40〜50%が駐車スペースを探しているとし、事前に駐車場の空き情報を得ることによってこうした車によって引き起こされる渋滞が緩和されるだけでなく、無駄な時間やガソリン代を消費しないで済むとしている。たしかに、駐車スペースを探すという行為は誰にとっても得なことではないのだ。

駐車スペースとなると公共の土地も含んでいるため、こうした売買の違法性も指摘されているのだけれど、同社は「売りに出されているのはスペースそのものではなく、個人の予定についての情報。問題はないはずだ」という見解を示している。同社は当分、個人の車庫や土地を対象に登録を募集する予定だとか。車で通勤している人にとって平日昼間の自宅車庫は無意味な空間なので、提供してお金が稼げるとしたら、これはオイシイ話なのだ。

こうした情報は非常に有用で、改正道路交通法によって6月から違法駐車の取り締まりが強化された日本でも、ぜひとも導入してほしいビジネス。駐車スペースを探す手間が省けるなら、多少のお金を支払ってでもその情報は得たいのだ。まあ、繁華街に出るときは電車やバスなどの公共交通機関を利用するのが一番だけど。

それにしてもこのサービス、情報を買い取った人が駐車した時点で課金されるのだけれど、駐車した人が情報を見て利用したとどうやって特定するのだろうか。車の型や年式、ユーザー名などが情報提供者に公開されるようだけど(ナンバーは非公開)、閲覧した会員が他人に情報を教えた場合など防げるのかなあ。同社は「評価」制度を導入することによって防ごうとしているようだけど……。

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